キューバ音楽の旅

キューバの音楽と言うと、先ず思い浮かべるのは「Buena Vista Social Club」の哀愁を帯びた暖かい音楽。
このBuena Vista~の長老的存在、Compay Segundoが健在だった時に来日公演が実現して、たくさんの日本人が彼らの音楽を知ることとなりました。
僕もその一人で、当時93歳くらいだったコンパイ・セグンドが若干よろつきながらもステージに立ち、すばらしい演奏を聴かせてくれたのは今でも印象に残っています。
もう彼はこの世にはいなくなってしまったけど、その音楽は今もなお息づいており、世界中の人々を魅了し続けています。

今回の旅に出る前に、Buena Vista~のドキュメンタリーDVDも鑑賞し、キューバ音楽の旅に向けてワクワク感が増していきました。

そして実際キューバに来て見ると・・・
想像以上にあちこちで音楽を聴くことができ、どこの町に行っても音楽を聴けない日はなかったです。
街に出ればどこからともなく音楽が聞こえてきて、楽しい気分にさせてくれます。
お店でライブが行われていたり、道端で誰に聞かせるでもなく楽器を弾いていたり、家の扉の中からバンドの練習する音が聞こえてきたりと、生演奏遭遇率が高いです。
キューバ人とその音楽とは切っても切り離せない密接な関係なのだと感じました。

街中で撮った「音楽」な写真を少々。

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オールド・ハバナのレストランで。
ランチとディナータイムには必ずと言っていいほど複数のお店で様々なバンドが演奏していました。

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トリニダーのバーにて。
蜂蜜入りラム酒・カンチャンチャラを飲んでいたら演奏が始まりました。
演奏のクオリティーも高い。

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同じくトリニダーで。
道を歩いていたら太鼓のリズムがしたので、近づいてみると、なんでもない道端で大勢の人が集まって太鼓を叩いたりラッパを吹いたりして騒いでいました。
カーニバルか何かか!?と思ってそこらへんの人に尋ねると、子供達が踊る練習をしているという。

デジカメのモードがおかしてくなぜか音が録れてなかったので、雰囲気だけの動画。
3拍子系のリズムでサルサとかとは別物。カリビアン・ダンスかな。

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太鼓軍団の先には、なるほど、子供達が列をなして踊りの練習をしていました。
先生らしき男性が指導をしている様子で、子供達は必死にリズムに合わせて足並みを揃えていました。
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ちなみに小さい女の子がカメラに気付いてセクシーダンスを披露する、の図。

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夜はカリビアン・ダンスが見られるお店へ。
これまた太鼓のリズムがすさまじかったのですが、何よりこのダンスは華麗でかなり激しい。
運動量も相当なものだけど、リズムにまったく狂いが無くて見ていて飽きない。
ダイエット目的でダンスを始める日本人にも受けるんじゃないかと思ったりしました。

これまた音がないけど、動きだけ雰囲気。

最後は客もステージに上がらされたりみんなで輪になって踊ったり、かなり楽しかったです。
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このお店を出たらまた別の場所で音楽がやっていたので行ってみました。
教会の横のちょっとした広場でソン(ブエナビスタ的なキューバの大衆音楽)が奏でられ、人々がカクテル片手に夕涼みをしていました。
かなり気持ちいい雰囲気。
しばらくしてバンドが休憩に入ると、BGMでサルサが流れ、みな踊りだす。
こういうときサルサ・ダンスに心得があると、さらに楽しさが増すと思います。
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翌日、街を歩いていたら、これまた何でもない家の庭みたいなところで、かなり哀愁のあるおっちゃん4人組がソンを奏でていました。
ぐらぐらベンチが2対だけあって、一応客も座れるようになっていたので、座ってゆっくり聴くことにしました。
おっちゃんたちは笑顔になって次々知っているような曲を演奏してくれました。
本当にのどかな場所で、演奏を聴いていると犬やら豚やらニワトリの親子やらが次々登場しては消えていきました。
何もこんなところじゃなくて、人の多い道路沿いでやればいいのにと思ったけど、何かしら理由があるんだろう。
一通り演奏を聞かせてもらって、チップを渡し、その場を後にしました。

キューバはウワサ通り音楽にあふれた素敵な国でした。