寄るべき「家」がたくさんある…八ヶ岳のペンションでふと「超ひも理論2.0」のことを考えた

八ヶ岳ペンション

八ヶ岳の麓、原村というところにペンションや別荘が立ち並ぶエリアがあります。
その一つに音楽ライブや小規模のイベントなどが行えるホール兼宿泊施設があり、そこに泊まることとなりました。

八ヶ岳ペンション

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元フリーアナウンサー小林節子さん主宰のコミュニティホール

そのホールの名称は「輪の舎(りんのしゃ)リングリンクホール」
奥様番組の代名詞とも呼ばれるテレビ東京の「レディス4」。実家の母親がたまに見ていたのを思い出しますが、この番組の司会を長年務めてこられた小林節子さんがこのホールの主宰者です。

到着するや大きな声で快く出迎えていただき、少しの談笑の後、休むことを知らない中川女将はすぐに食事の準備に。他にも何人かの女性がいて早速賑やかな食卓の準備が始まっていました。

八ヶ岳ペンション

僕ら夫婦は近隣を散歩に出かけ、帰って来たら疲れて昼寝・・・。
みなさんが食事を用意してくれていると分かっていたものの、慣れぬ場所で体が休息を欲していました。

八ヶ岳ペンション

初対面の人たちに囲まれて。食事と宿が用意されるありがたさをふと感じる

目が覚めてホールに降りるとテーブルにたくさんの料理が並べられていました。
皆がそろったところでイタダキマス。

20人くらいの方々がいましたが、当然初対面の方ばかり。
中川さんは八ヶ岳のこの場所でも様々な活動を行ってきた結果、寄るべき「家」ができ、こうして多くの人に慕われています。
日本のあちこちに寄るべき「家」があり、移動も多い毎日なので、たまに朝目覚めると自分がどこにいるのか分からなくなることもある、なんてことも語っていました。
そしてこういった場所では家族同様の扱いを受け、金銭のやりとりが発生することはない。

八ヶ岳ペンション

様々な縁が重なって人とのつながりが生まれ、金銭ではなく「好意」や「感謝」を通じて食事や泊まる場所が得られるって、ほんとに素敵なことだと思います。
僕ら夫婦も女将の圧倒的行動力に導かれるがままに「家」への道をつなげていただき、その恩恵を受ける結果となりました。シンプルにありがたいという気持ちしか沸きませんでした。

頼んでないのに提供される食事と宿。超ひも理論2.0に通じる考え方

面白いなぁと思ってRSS購読している「いばや通信」というブログがあります。
筆者の坂爪圭吾さんは家を捨て、行きたい時に行きたいところに行く、という生活を1年以上も続けています。
仮に10数年前に同じようなことをやったらそんなに長く続かなかったとは思いますが、今ではインターネットやSNSが充実しているお陰で彼の周りには常に人がいて、日本中、そして海を越えた場所にも彼を助けてくれる人がたくさん存在しています。
頼んでもいないのに食事を用意してくれたり、寝泊りする場所を提供してくれたりする人が続出し、一般的には考えられ無いライフスタイルを実現しています。

家を失ったら家が増えた」・・・そんな逆説的な現象が彼の行く先々で展開しています。

「家も金も定期的な収入も持たない暮らし」を実体験にはじめ、およそ一年の月日が流れようとしている。その中で様々な恩恵を被ることになり、私はこの現象を「超ひも理論2.0」と名付けた。

【超ひも理論2.0】必要な物は既に備わっている。ー 特定の女性から養ってもらおうとするのが「ヒモ」ならば、宇宙全体から養ってもらおうとする発想が「超ひも理論2.0」である。より

僕ら夫婦は一応帰る家はあるし、いばやの坂爪さんとは規模や状況も違います。だけど言ってみればこれも「超ひも理論2.0」に通じることなのかと思いました。

ひも状況下では素直に好意を受け入れる。その後に広がる世界もある

頼んでもいないのに食事や泊まる場所が用意される
このような現象が今回の旅でも何度か発生しました。

「ひも」というと「養ってもらう、やっかいになる」となんとなく負のイメージがありますが、「ありがたく世話になる、好意を受け入れる」とプラスにとらえることでニュアンスも変わります。

感謝や好意の連鎖が大きく広がっていけば、地球規模での「ひも化」も可能なんじゃないかと思います。
それには坂爪さんや、女将のように人並み外れた行動力と人からの感謝を素直に受け取れる包容力が必要です。

そこまでのエネルギーがない僕は、たまに誰かに導かれてプチひも体験を味わえる程度でしかありません。
だけどそういう状況に置かれたときは変に遠慮するのでなく、素直に感謝しながら「ひも化」します

好意をありがたく受け入れてこそ世界が広がるし、殻に閉じこもらずに常に心をオープンにしていけば次なるステージにつながるきっかけにもなります。

八ヶ岳ペンション

この時期でも八ヶ岳の夜は冷えます。
おいしい食事の後、湯に浸かり、温かい布団で眠りながら「ひも旅生活」もいいなーと思った八ヶ岳の夜でした。