「神々の里における神長の役割」という講演を聴く @八ヶ岳美術館

八ヶ岳美術館

京都吉水の女将と行く関西ドライブツアー。
続いて八ヶ岳の原村にある八ヶ岳美術館へ。

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諏訪神社と関連深い守矢神長家の現当主による講演を聴く

自然に囲まれた美しい場所に美術館があり、ここで守矢家の第78代当主である守矢早苗さんの講演がありました。

八ヶ岳美術館

▲植物がうっそうと生い茂る小道の先に美術館があります。

守矢家は中世より諏訪神社上社の神官の一つである「神長官(じんちょうかん)」を明治時代まで勤めてきた家柄

神長官守矢史料館より

諏訪神社といえば奇祭で知られる御柱祭が有名です。
諏訪神社や御柱にまつわる言い伝えは日本の黎明期、神話の時代とも言われる大昔から受け継がれてきました。
明治維新で土着信仰が排斥されるまで諏訪神社を守り続けてきたこの守矢神長家は、まさしく神代からの歴史が伝えられた一族と言えます。

その一族の末裔の方が多くの人の前で講演することは非常に稀らしく、なかなか聞けないお話も聞けるかもしれない。

関西に直行せず、わざわざ八ヶ岳に寄り道してこの講演に行こうと提案したのは、もちろん今回の旅の同行者。
溢れ出る好奇心を抑えずに行動に移す彼女らしい発想ですが、「いいっすね!」とワケも分からずノリノリになる僕ら夫婦も同じようなものです。

八ヶ岳美術館

▲八ヶ岳美術館はカプセルをポコポコつなげたようなSF的な形状をしています。

講演には80人近い人が参加するほどの大盛況だったようですが・・・、正直、眠かった!!
お話は非常に興味深かったのですが、久々長時間ドライブの疲れもあり、どうにもヤバかったっス。

なぜか一番前のド真ん中に座ることになり、ここで船をこぐようなそぶりは見せてはならないとひたすら自分に言い聞かせましたが、たぶん白眼をむいて第78代当主に失礼をしてしまったかもしれない。

都市伝説「日ユ同祖論」についての話は聴けるのか・・・?

興味深いお話といえば・・・日本人のルーツにまつわるお話。
都市伝説として日本人の祖先はイスラエルからやってきたという、ややトンデモな説があります。

言葉、文化、風習など数多くの共通点が日本とユダヤの国、イスラエルの間にはあります。

諏訪大社の神体山である。諏訪大社の構造や神事に、古代イスラエルや旧約聖書の記述に類似した点があり、中東、中央アジア方面から信仰が伝播した可能性を指摘する研究家もいる。 ちなみに聖書中にも、モリヤという山が登場し、重要視されている。

Wikipediaより

古代より続いてきた守矢家はこの説に関わる何か重要なカギを握っているのでは
そう期待して今回の講演を聴きに来た人もいるのではないでしょうか。

しかし、結局当主の口からはそのことに関わるお話は聞けずじまいでした。

・・・ところが講演の最後、質疑応答の時間。守矢家とユダヤに関することをズバリ聞いてきた方がいて、そこで眠気も吹っ飛びました。

当主はあえてマイクは使わず、やや声を落としてその質問に答えます。
「・・・個人的には興味深い話ですが、本当のところは分からない。ロマンのある話なんですが・・・」

代々口伝で伝えられてきた伝説が、先代辺りから行われなくなり、現在の当主は実際のところご自分で文献を参照されるなりして調べるしか方法がないのだそうです。
だから公の場で不確実なことは何も言えない。

メモを取っていたわけではないので曖昧ですが、そのような回答をされてました。
あとはなんだか別の話にすり替わってしまい、うまくはぐらかされたような・・・。

日本とユダヤはいろんな共通点があって、日ユ同祖論という言葉も聞かれますが、確固たる証拠がない限りあくまで推論の域を出ません。
ロマンを感じるヒストリーだけど、それは浦島太郎の玉手箱みたいに、現代人が開けなくてもいい、いや、開けてはいけない箱なのかもしれません。

八ヶ岳美術館

▲講演終了後も熱心な聴講者たちに囲まれ「補習」を行う当主

なんだかすっかり眠気も吹き飛んで、偉大な自然に囲まれた美術館の周りを少し歩き、すがすがしい気持ちで次の目的地へと移動することにしました。