タミル人の町ジャフナ。街中を歩きに歩いた3日間
スリランカ北部の都市、ジャフナへやってきました。
ジャフナは2009年まで続いたスリランカ内戦の最中、反政府組織「タミルイーラム解放のトラ (LTTE)」 の支配下に置かれていた場所。
戦火を逃れるために多くの人々がこの場所から立ち去り、人口が著しく減少し、建物も破壊されたりそのまま廃墟となったりして戦時中の影響を強く受けた場所でもあります。
2009年に内戦が終結すると復興が進み人口もある程度回復。
かつてスリランカ第二の都市として名高かった頃の面影は消えてしまいましたが、多くの歴史の爪痕が残る町として、またヒンドゥー教を信仰するタミル人が多く居住する町として、他の地域とは少し違った顔を持つ都市としての魅力があります。
ジャフナの中心街はどこ?
ジャフナの主な見どころや評判のいいレストランなどは、ジャフナ駅を中心として半径1~2kmほどに点在しており、どこもなんとか歩ける距離範囲です。
僕ら夫婦は旅の間あんまりタクシーとかトゥクトゥクなどは使わず、歩けるなら多少遠くても歩いてしまうという習性があるので、ここジャフナでも移動は全て徒歩でした。
ジャフナ駅を出て南へ少し行くとホスピタルストリートにぶつかり、そこを西の方に進むとその名の通り病院があります。
近くにはバスターミナルもあり、この周辺がジャフナの中心街と言ってもいいかもしれません。
ジャフナ滞在の3日間で泊った3つの宿
ジャフナではどういうわけか毎日宿を変えると言う、非常に効率の悪い滞在となりました。
泊った宿を順を追って紹介したいと思います。
1泊目 Sarras Guest House
ジャフナ駅の東側、ホスピタル・ストリートの東端から少し北へ歩いたところにある「Sarras Guest House」を最初の宿に選びました。
この宿は地球の歩き方に載っていて、なんとなく自然に囲まれていていい感じだなーという短絡的な発想で決めました。
実際行ってみるとこのホテルは母屋と離れに分かれていて、歩き方に載っていたバジェットな部屋は離れにありました。
僕らは離れの一室に泊ったのですが、ちょっと陰気臭くて薄暗くてあまりよろしくない感じでした。
▲エアコンも壊れていて使えず。トホホ・・・
ベッドはべコンべコンに凹んで、おまけに寝ているとなんだか痒くなります。
ここは1日でパス・・・2日目は別の宿へ移りました。
Booking.com “Sarras Guest House"
僕らは2000ルピーの部屋でしたが、もう少し高い部屋ならもう少し快適に過ごせたかも・・・。
2泊目 ピレイヤー・イン (Pillaiyar Inn)
2日目は一気に西の方へ移動し、スタンリー・ロードのカーブが差しかかるところにあるホテル。
このホテルはGoogle Mapで検索するととんでもない場所を指示してしまうので注意が必要です。(2015年10月現在まだ直っておらず)
正確な位置は下のMAPにある保険屋さんの目の前あたり。
▲部屋はこんな感じ。清潔で広くてエアコンもバッチリ。エアコンにぶら下げている袋は市場で買ったランブータン(笑)
朝食もしっかりついていてとてもいいホテルだったのですが、一つだけ問題が!
このホテルの目の前の空き地で何かの商品のプロモーションをやっており、朝から晩まで爆音をとどろかせてテクノみたいな音楽が鳴り響いていたこと。
夜はさすがに止みましたが、明日もこんな調子だと昼寝もオチオチできない。それくらいのうるささでした。
近所迷惑とかまったく気にしてない様子だし、近隣住民もクレームとか出さないのでしょうか。
そのことが原因でまたしても別の宿に移ることに・・・
3泊目 ホテル グリーン グラス (Hotel Green Grass)
ジャフナ駅のすぐ隣。奥まった路地に面した静かな環境。
周辺ではかなり大きなホテルです。前2日間とも宿が残念な結果だったので最後だけはちょっとゆっくりしようということで。
▲部屋は清潔で調度品なんかもしっかりしたものが置いてありました。テレビの料理番組を見いる女。
プールやオープンテラスのレストランもアリ、かなりのんびり過ごすことができました。
▲朝食もビュッフェ形式で朝からガッツリ。ちょっと取り過ぎ?
中級ホテルの部類に入るので値段は少し高めですが、時期によっては割引してる場合も。
何より駅にとても近いので、翌日はまた列車に乗るためジャフナ滞在の最終日に最適なホテルでした。
歩いて行ってみよう、ジャフナの見どころとおすすめレストラン
ジャフナではホテルの移動もすべて徒歩、見どころを周るのも全て徒歩。とにかくよく歩きました~
3日間ジャフナの町に滞在して、良かったと思えるスポットをご紹介します。
カンダスワミ寺院の近くにあるインドベジレストラン「MANGOS」
ジャフナの観光名所として知られるヒンドゥーのカンダスワミ寺院(Nallur Kandaswamy Kovil)。
まず初めにこの場所を見に散歩に出かけたのですが・・・
運悪く補修工事中だったようで中に入ることができませんでした><
しかしものすごい足場の組み方です。
仕方ないのでこの周辺にあるレストランを調べたところ、tripadvisorでも評判のベジレストランがありました。
その名も「Mangos」。南インド風のベジレストランです。
店の敷地は結構広々しており、客席もいっぱい。
混雑時は満席になったりするのかな。人気のレストランだということがうかがい知れます。
▲通路に沿う様に厨房が備え付けてあり、料理する様子をバッチリ見ることができます。
南インド料理の「Rava Masala」を作っている様子。
▲夜に食べたラバ・マサラとランチで食べたターリー。ボリューム満点、バランスも良くて味もグー!おすすめです。
▲メニューを激写。値段も手ごろだと思います。(拡大できます)
バナナの葉を皿にしてカレーをサーブしてくれる「MALAYAN CAFE」
バスターミナルの近くに評判の南インドカレー屋さんがあるので行ってみました。
▲店の外観。ちょっとセンスの良さを感じちゃいます。
店内は結構にぎわっていて評判の高さがうかがえます。
南インドではよく見られますが、バナナの葉っぱを皿にして、その上にライスやカレーなどを盛り付けてくれます。
▲盛りつけはこんな感じ。もちろん右手を使って頂きます。
日本人にも食べやすい味で、付け合わせの野菜とかもグッド。
▲別の日、今度はマサラドーサを注文。ドーサの皮はパリパリ、中はモチフワ。付け合わせのカレーを盛ってくれます。
食べ終わったら葉っぱを丸めてゴミ箱へぽい。とてもエコでナチュラルなお店でとても気に入りました。
入り組んだ歴史に翻弄された海辺の要塞、ジャフナ・フォート
バスターミナルから海の方に進むと星形の要塞、ジャフナ・フォートがあります。
今はちゃんと管理されていないのか半分廃墟みたいな場所です。
しかし地元の人たちや旅行客にはちょうどいい海辺の散歩スポットにもなっているようです。
ここはスリランカを支配してきた国々に立て続けに統治された場所。
植民地時代にポルトガルによって基礎となる部分が建造され、1680年にオランダに占領されて改築、さらに20世紀に入るとイギリスによって統治され駐屯地として使用されていました。
そしてスリランカ独立後、内戦が勃発すると爆撃を受けて粉々に破壊されてしまいました。
平和になった現在はオランダとスリランカが共同で修復にあたっているようですが、まだあちこち破壊されたままの状態で、長い歴史の末の疲れ果てた老兵・・・そんなイメージが浮かびました。
今回のケセラセラ
相変わらず無計画な旅なので「あれしたい」「ココ行きたい」という特別な野望もなくジャフナに来てしまいました。
その結果3日とも異なる宿に泊ることになり、移動も全て徒歩だったので割と時間のロスが多かったかもしれません。
賢い旅人は拠点の宿を一つにして、トゥクトゥクなどを活用してスムーズに見どころを周る、なんてことをするのかもしれません。
でも、なんというか歩くのが好きなんですよね。特に初めての町。
ジャフナという町は長年の植民地時代から独立後の内戦まで、歴史上いろいろな人たちによってその風景や街の「色」を塗り替えされてきた、いわば人間の土地所有欲に翻弄され続けた場所。
タイムマシンでもない限り実際そんな過去の出来事を見ることは不可能ですが、想像することはできます。
ボロボロに壊れた廃墟や、建っているのが不思議に思うほど朽ち果てつつも人の営みがある家屋など、どんな歴史をくぐりぬけてきたんだろと想像するだけでも結構楽しいのです。
3日間だけだったけど、ジャフナの空気に触れ、街を練り歩き、笑顔のタミル人たちに会えたことが旅の収穫となりました。