ジプシーの生き様

gipsy季節は変わり、涼しくなると読書も進みますね。
図書館で5冊借りてきて返す日が近づいてしまったため3冊ほど平行して読んでいます。
最近読み始めた1冊
『ジプシー』の幌馬車を追った

のっけから心引かれる文章が。

「ジプシー・・・青空を屋根とし大地を床とし、自然と共存して暮らしている。」
「旅、流浪、漂泊、これらの言葉を聞いて心が揺れないだろうか。」
「島国日本・・・定住民の社会・・・この社会で感じる精神の息苦しさ、それはジプシーたちには、ない。」
「ジプシーは独立独歩の人生を過ごす孤高の民・・・経済的には貧しいが、精神は豊かだ。自由を謳歌している。」

などなど。

またこんなくだりもあります。

「ジプシーの幼児教育は子供にけんかをけしかけて殴り合わせ、暴力への恐怖心をなくす。・・・ちょうど狼の子がお互いにかみあい、自分の力加減を知っていくのに似ている・・・このように大自然のなかで育ったジプシーは決して自殺することがないという。」

日本では今ネットを通じて見知らぬ男女が車の中で集団自殺する時代です。
それとジプシーの生活と言うのは対照的だと感じました。

この本の著者は大学時代にある有名企業に就職が内定していたのにもかかわらず、終身雇用や自由がなくなるのを恐れてこのジプシーを追う旅にでたといいます。この選択が正しいか間違っていたかなど他人がとやかくいう問題ではないでしょう。
自分がそうしたかったからそうしたまで。
日本の社会では不安定な生活や不透明な将来設計は敬遠されがちだけど、特にそれが悪いことだとは思いません。
そうすることによって気持ちが豊かになるなら早くみんなそうするべきだと単純に思います。
僕も大学時代に就職先が決まり、研修も全て受けて、いざ入社と言うときに内定を蹴って「旅に出た!」・・・と言いたいところですが、実際は別の会社に4月直前に転がり込み、結果、いろいろ考え方も変わっていき、今の自分があるのだと確信しています。今後も基本的な考え方は変わらんでしょう。

現代の日本人(欧米の発展国にも言えるが)に必要なのは精神の豊かさなんだと思うんですが。
ジプシーたちの生き様に学ぶことはいろいろあると思う。
経済的安定と精神的安定、どちらがいいのだろうか?
どっちもあればそりゃ、いいわな。だがどっちかというと後者の気がします。

さきネットのニュースを見たら、先日自殺した若者たちの理由らしきものが「定職がない」とか「進学についての不安」とかで呆れた。

自殺をする前にインドからスペインまで旅でもして来い。