危険な好奇心
今回のイラクの日本人拉致・人質事件について、あちこちのblogやらニュースやらで「被害者」となっている日本人に対して非難が浴びせられている。
旅行で別の国へ訪れるときは「郷に入りては郷に従え」が鉄則だ。それを守らないとその国の人たちを傷つける事になったり、逆に自分がひどい目にあったりすることもある。
今回の事件がそれをよく表している。厳粛なイスラムの国に短パンで入国するなんて・・・。
「私は外国人です、狙ってください」と言っているのと同じだ。
ましてや外務省が退避勧告を出しているような国だ。
あるblogで「新手の自殺か??」と論じている人もいるが、そう思われても仕方ない。
以前自分のblogでも「自己責任」について触れたけど、物見遊山・興味本位・野次馬根性であえて危険を冒すのは良くない。義務的に危険な場所へ身を置いている人や現地で大変な思いをして生活している人に対して失礼だ。
今回の事件はそういう意味でも被害者に対してフォローしようがない。
しかし人の命は命。無暗に放っておくことはできない。
遺族やNGO団体や政府が必死に対応していると思うが、とにかく無事を祈るばかりだ。
ディスカッション
コメント一覧
結局、残念(残忍?)な結果になってしまったな・・・。
冥福を祈るばかりだが、何であんな所にわざわざ行ってしまったんだろう?家族をはじめとして関係者もやりきれないはず。おそらく本人が一番後悔したと思うが・・・。
しかし、「自己責任」って昔は無かった言葉だと思うんだが、数年前から急に使われだした単語だな。この日本にインターネットが普及して、匿名で攻撃的なコメントを述べる輩が急速に増殖したのと、時を同じくして使用頻度が上昇した気がする。
ある情報によると今回の香田さんに限らず無謀にもイラクに入国してしまう旅行者は結構いるらしい。たいがいは怖いもの見たさだけでなんとか無事に帰ってこられるのかもしれない。そして帰国したらそれがいい自慢話になるし、話のネタにもなる。
たぶん香田さんもそんな軽い気持ちでイラクに入国したのだろう。
長期の貧乏旅行者っていうのはだんだんそういう危険とか治安の悪さとかに対する感覚が鈍ってくるものだ。「郷に入りては・・・」という意識を持ちつつも「虎穴に入らずんば虎児を得ず」という意識も強まってくる。
今回の事件に関して、社会的に見たら最初に書いたとおりまったくフォローしようがない事件だが、旅行者としての立場ならば、自分もそれに近い経験は何度かあったので、多少なりとも理解できる部分があることに気づいた。
彼は本当に無知無謀無鉄砲だったがある意味共感できるところはある。
・・・しかし相手が悪かったし、運もなかった。
最終的に最悪な結果に終わってしまい、ネット上で「自己責任」だとか「自業自得」だとか言って非難するやつがたくさん出てきた(自分も含め)。確かにそれはそうだが、とにかく関係者や残された家族がなんともかわいそうでならない。
それに、焦点がずれがちな話題だが、何がいけないって、テロを起こすやつが一番悪い。わざわざ人を殺して自分らの意見を正当化しようとするやつに本当の正義などあるわけがない。
一刻も早くテロ撲滅を望む。