メルズーガの砂漠 2~途中休憩。ひたすら時間が過ぎるのを待つ
夜が明けてうっすらと明かるくなる頃、めがさめました。
砂の上に寝っ転がっていたので全身砂だらけです。
広大な砂漠の上で朝の歯磨き。
ちなみにトイレはどこでも好きな場所で可能。
Sahara is a big toilet が合言葉。
砂漠の夜明け。
徐々に東の空が明るみ、光が差し込んできました。
ペットボトルを被写体に。
水のCMみたいになってしまいました。
砂上のヨガ。
ラクダのポーズだそうで。
朝ごはんの時間です。
割と気の利くちゃんと仕事をするガイドさんでした。
パンとジャムやメープルなどとコーヒーorミントティーだけの質素なものですが、何を食べてもおいしい。
てっきり昨日のツアー客全員で出発するのかと思いきや、他のツーリストたちはみんな1泊だけのツアーだったみたいで、朝食後ラクダに乗って帰ってしまいました。
ギターを弾いてお見送り。
残されたのはうちらだけ。急にさみしくなりました。
何はともあれ出発だ。
砂漠の真ん中にぽつんと残されていたロバさん。
足に重しをつけられて逃げられないようにされていました。
ご主人様の帰りを待っているのだろうか。まったくけなげな動物です。
今日も暑い。
日焼け対策で持ってきた手拭いを巻いてみました。
月光仮面のようだ。
途中すれ違った砂漠のキャラバン。
物資を運んだ帰りだろうか。
ふと小さいテントが見え、キャメルマンが「ここは僕の友達の家だよ」と教えてくれました。
ここでラクダを降り、小休止することになりました。
定番のミントティーとピーナッツ。
疲れた体がほぐれる。
お茶を飲んだらすぐに出発するのかと思いきや、まったくその気配がない。
「小休止」というのは、どうやらこの何もない場所で夕方になるまでじっとしているという意味だったらしい。
退屈なのでギターを弾いたら砂漠の民が太鼓を持って来て一緒に叩き出しました。
歌い疲れると今度はキャメルマンがギターを弾く。
弦を適当に弾いてリズムを奏でていました。
非常に単調なリズムだが、一緒になって叩いているとだんだん気持ちよくなってきます。
こんな時間がしばらく続きました。
しばらくするとランチを持ってきてくれました。
野菜だけのモロッコサラダとパンとオレンジ。
シンプルな食事だけど、格別においしかったです。
サラダの上にのっかってる黒い物体はオリーブの漬物。
これがうまい。
テントのそばにあった山羊小屋。
ふと見やると彼は自分の家を食べていました。
「ンメエエエエ」とか言いながら。
なんとものどかな光景です。
それにしてもやることがない。
ギターも弾き飽きたし、本でも持ってくれば良かった。
しかし日陰とは言え、熱風が吹き込んできて強烈に暑く思考力も薄れて来ます。
たまにテントを出て動き回ってみるが突き刺すような太陽の光ですぐに体力が奪われる。
こんな時間帯に動き回るものじゃない。
「小休止なんて言わずにすぐに移動しようよ」と最初思いましたが、そんなに急ぐ必要もないし、無理して動く意味もない。
ここではゆっくりとした時の流れに身を任せる以外に方法はない。
考えてみると日本での生活はあまりにも忙しすぎる。
抱えきれない情報の波に囲まれ、日々あくせく生きる都会の人々。
こんな何もない、何もすることがない場所でひたすら涼しくなる時間を待っているこの状況とはまるで対照的です。
でも自然に逆らわず、心の向くまま穏やかに暮らすというのが本来の人の姿なんじゃないかと思わずにはいられませんでした。
さて、ようやく日も傾きだし、涼しくなったところで出発。
砂漠の民御用達の布を巻いてみました。
これが意外と心地よい。
砂漠は湿気がないので蒸れることもなく、布も薄手なので風が適度に入ってきます。そして砂除けにもなる。
途中、キャメルマンが突然何か言ってどこかに行ってしまいました。
ラクダの手綱を持たされ途方に暮れる。
見渡すともう姿が見えない!
「どこに行っちまったんだー!?」
しかし、少ししたら戻ってきて、「トワレ、トワレ」とか言ってました。
あ、トイレね。
こんな場所で取り残されるととても心細いものです。
なにはともあれ、今夜泊まる場所に少しずつ歩みを進めます。
・・・続く。
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