旅の思い出~スペインからモロッコへの地獄の船旅

今仕事で、ある大手旅行会社のクルーズ専門サイトを作っています。
豪華客船で行く世界一周旅行とか、国内クルーズとか、いろいろなプランがあります。
クルーズなんてリッチな大人の贅沢な旅で、とても若くて金のない旅行者には手が出ない代物です。


これまで旅行した中で船に乗ってどこかに行くことは何度かあったけど、その中でも一番ひどかった出来事を書きとめておこうと思います。


2000年か2001年ごろ、仕事でスペインに訪れていて、つかの間の休暇が取れたのでレンタカーで一人アンダルシア地方を周っていました。
で、南部のアルヘシラスという町から船でモロッコに行けるというので、車をパーキングに停めていざ船に乗り込み、初めてのアフリカ大陸に思いを馳せながら出港を待ちました。
船は結構な大きさのフェリーでイスラム教徒のための礼拝室も備わっているのが特徴的でした。


天気は悪くて海も多少荒れていたが、とりあえず出発。
アルヘシラスで知り合った友達と一緒だったので心細さは無かったけど、最初からかなりの揺れが生じていました。
船は無言のままモロッコへ向けて進んでいきます。
通常2時間くらいで着くはずだったのですが、海がかなりしけてたので、速力を落としてゆっくり時間をかけて進んでいました。
しかし揺れは激しくなる一方。


とうとうその揺れは傾斜30度以上に達し、あらゆるものが転がりだしました。
かばんやスーツケース、灰皿や食器やガラス。
ゴロゴロゴロゴロ。左に右に。
遠くでガラスが割れる音。
イスラムのじいさんまで転がってきました。
そして方々でゲゲーっとやる人々。


この様子は正に悪夢だった。
じっとしていると気分が悪くなるので、テーブルにしがみついて友達と何か楽しい話をして過ごしました。
しゃべって他のことに集中してると意外と船酔いしないもので、ものすごい角度になりながらも談笑していました。
そしてようやくアフリカ大陸、モロッコのタンジェという町が目の前に。
やっと到着か!
しかし、悪夢はそれで終わりではありませんでした。


タンジェの港がこれまた大荒れで、どうやら船が入れないらしい。
1時間くらい停泊した後、結局入港を拒否され、スペインに戻ることに。


また揺れに揺られ、往復7時間ほどの地獄の船旅は強制終了。
ぶっちぎれて船会社に文句を言うおっさんもいたけど、天候ばかりはなんともできない。
お金は返してもらえたが散々な目にあいました。


ちなみに別な時にバスで再びアルヘシラスを訪れ、リベンジ。
今度は無事にモロッコにたどり着けたとさ。


bar写真は関係ないがSevillaのあるバルにて。


うー、こんなこと書いてたらまた行きたくなってもーた。
今後もたまにこんな現実逃避日記書きます。