メルズーガの砂漠 1～灼熱のラクダツアーへGO！

2008年6月3日

カスバ街道の町、ティネリールを後にし、平原の道を突き進みます。
目指すはエルフードという砂漠の旅の前線基地みたいな町。

バスの中で知り合った日本人と意気投合。
彼は世界一周旅行中で、最近は中東諸国を旅してきたという。
で、ティネリールで泊まった宿の従業員がちょうどエルフードに帰るというので、せっかくだからと行動を共にすることにしました。
まったくのノープランの旅。こういう予期せぬ出会いが面白い。

その宿の従業員（ザイードさん）は異様にハイテンションなベルベル人だ。
バスの中でギターを弾いて歌ったところ、それがバカ受けして一気にうちとけました。
彼の親戚はエルフードの先にある砂漠地帯（メルズーガ）でオーベルジュという、いわば砂漠の宿を経営しているという。
今夜はそこに泊まることにしました。ついでに砂漠ツアーも申し込んでみようと思いました。
写真は道路から外れて、平原を突き進む時に撮影した一枚。
なんとなくワダチがある程度で、ほとんど道なき道です。

やがて・・・見えてきました。
サハラ砂漠・・・。
この風景を待ち望んでいました。
オーベルジュはまさに砂漠の真ん前に建てられており、その後ろは本当に砂の世界。
オーベルジュについて食事中に撮った一枚。窓から外を眺めます。

すぐそばに椅子があったので座ってみました。
この先は広大に広がる砂漠・・・。

宿にいた目の色がエメラルド色の猫。
「ニャー、どうも、今日のガイドです。」

オーベルジュのロビー。
広々していてとても居心地のいいところでした。
今夜はここに泊まるのかな・・・

しかし！

砂漠ツアーの説明を受け、この日の夕方すぐに出発することが判明。
そして今夜の宿は砂漠の上。。。
考える余地もない。GOだ。

こちら、本当の砂漠のガイドさん。
通称キャメルマン。
彼がラクダを引っ張って旅を案内してくれます。

成り行き上、ギターを持っていくことになってしまいました。
他のツーリストとともに、出発！

ラクダの歩む、砂の踏む音とハエの音以外は何も聞こえない。
あるのは砂と太陽のみ。

西に傾く太陽。
夕方になって和らいだとはいえ、日差しはまだまだ強烈です。

ただひたすら歩を進めます。
ラクダはコツさえつかめれば快適な乗り物。
少なくともインドの砂漠で乗ったラクダよりは数倍マシな気がしました。
あの時は鞍もボロボロで乗り心地は最悪、何より激烈な日差しと高温にやられた。
それに引き替え、今回のラクダの旅はなかなか楽しい。

ふと大きな砂丘が太陽を隠しました。
そしてそのふもとにいくつかのテントが見えます。
・・・どうやらここが今夜の寝床らしい。

ラクダはとても従順で穏やかな動物です。
ずっと乗ってると愛着がわいてきます。変な顔だが、憎めないやつだ。
今夜もゆっくり休んでくれ。

夜ごはんは砂漠の上と星の下で。
いつものようにタジンが出てきましたが、こんな場所で取る食事は何物にも変えがたい。
写真はこの日行動を共にしたツーリストたち。
オランダ人の夫婦とフレンチカナディアンの親子。
みんな言語は異なるのにここでの共通語は英語。不思議だね。

夜、テントの中でもよかったのですが、せっかくなのでみんな砂の上に絨毯を敷いて寝っ転がりました。
見上げるとそれは満天の星空。
あまりの美しさに見とれ、しばらく眠れなかった。
いくつもの流れ星を見届けながら、砂漠の夜は更けていきました。

・・・続く。