隠れたパワースポット「あやべ吉水」。自然の恵みをじかに感じるご飯に感動

京都のお宿吉水を後にして綾部の吉水へと移動。
京都縦貫自動車道を北上して丹波で降り、そこから綾部まで下道を通って行きます。
2015年7月には縦貫道が全開通するので、もう少し楽に行けることになります。

着いたのは夜9時過ぎ。
地方の集落の奥の奥、周辺には街灯もなく辺りは真っ暗!
女将さんにナビされるがまま、ようやくお宿に到着しました。

到着するとすぐに夜ごはんの用意。
冷凍庫に保管してあった食材でチャチャッと夜食を作って頂きました。
質素な食事だけど、こういう場所ではこれで大満足なのです。

あやべ吉水

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あやべ吉水は「龍穴」というパワースポットのど真ん中にある

翌朝、天気が少し悪くて雨がパラついていたけど早く目が覚めたので散歩をしてみました。
草木が自由に生い茂り、近くにはさらさら流れる小川が。
見上げると杉の大木に守られた場所だと感じます。
もうなんというか・・・自然が神々しくて目を閉じると自分が地球と一体化したような気持ちになります
・・・ただならぬ場所です

あやべ吉水

あやべ吉水

あやべ吉水

あやべ吉水が建つこの場所、実は陰陽道や風水で「龍穴」と呼ばれる場所

古来より陰陽道では露出した活断層は把握されており、遷都・神社を建立するに際して、その土地の構造(活断層や山の配置など)を鑑み陰陽重ならぬ土地が龍穴として選定された。不思議なことに日本国内のほとんどの大きな龍穴とされる場所には、古社が鎮座するなどしており、またその土地は天変地異とは無縁だという。伊勢神宮や唐招提寺、日光東照宮なども龍穴とされる。

wikipedia より

敷地内には不自然に土が盛り上がっているところがあり、女将いわくこれらは古墳だとのこと。
大昔の人もこの場所を神聖な場所として感じていたのでしょう。
まさしく隠れたパワースポット
そんな場所を今回の滞在で独占することとなりました。

先人が残した遺産を継承。あやべ吉水は「昔の暮らしと自然を学ぶ」のに最適の場所

中川さんがあやべ吉水を開業させたのは2008年のこと。
昔話に出て来そうな茅葺き屋根の古い家を改装した宿だけど、以前の家主の話が面白かったです。

何十年前の話か正確に分からないけど、一人の若者がこの場所にやってきて、茅葺き屋根の日本家屋をほとんど自分一人で作ってしまった。
彼はこの場所で釣り堀を経営し始め、ウワサを聴いた地元の人たちが訪れるようになった。
その後、近くの渓流から敷地内に水を引いてイケスを幾つか作り、魚の養殖を始め、魚料理の店も始めるようになる。
釣りも楽しめ、魚料理もおいしいため評判が評判を呼び、店は大繁盛する。
若者は結婚して子供も出来てこの場所で幸せに暮らしたとさ。

詳細は謎ですが、だいたいこんな流れです。

あやべ吉水

▲イケスの残骸と思われる跡地。こういうのが敷地内にたくさんあった。昔この中で魚を養殖していたのかな。

あやべ吉水

▲建物の2階から撮影。この池は昔釣り堀だったのかも・・・。

先人が残したこの建物を中川さんが引き継ぎ、再び人の集まる空間へと生まれ変わることとなりました。
もちろんここも中川さんの信念に伴って、「少し前の日本の暮らしを体験できる場所」「自然とともに生きることを学ぶ場所」というコンセプトがあります。

周辺は観光スポットもないし、もちろん客室にはテレビも冷蔵庫もない。(WIFIはあるのでネットは可能)

かまどでご飯を炊き、囲炉裏を囲んで食事をし、薪でわかしたお風呂に入る。ちょっと前まであたり前にあった日本の暮らしが、綾部吉水にはあります。

あやべ吉水WEBサイトより

あやべ吉水

▲昔話の風景がここに。人が大勢集まると囲炉裏でご飯を食べながら団らんも、ここでは珍しくない。

あやべ吉水

▲冬には暖炉がともされる。薪割も自分たちでやらなくてはいけない。

▲別の日に撮影したあやべ吉水の外観。茅葺き屋根が日に照らされて蒸気を発している。まるで呼吸しているかのようです。
茅葺き屋根も生きている。やがて朽ち果てる運命ですが、この茅葺きはあと20年は大丈夫なのだそうです。

とれたてワラビとウドの新芽天ぷら!自然の恵みをじかに感じる幸せご飯

あやべ吉水の周辺はとにかく自然がいっぱいだー!
お昼御飯は自然の恵みを頂くことになりました。

あやべ吉水

女将が地面を見ながらウロウロしている。良く見るとそこら中に山菜のワラビがいっぱい生えているのに気づきました。
これを摘んでおひたしにしようということです。

それから見慣れない葉っぱの生えた木。これはウドの木だという。

あやべ吉水

あやべ吉水

これの新芽のところを摘んで天ぷらにします。
ウドなんていうと真っ暗な中で白くヒョロ長く伸びる貧弱なイメージしかなかったけど、本来は他の植物と同じで太陽の下でノビノビと生えるものなんだよね。

ワラビの下ごしらえの仕方も教わりました。

あやべ吉水

▲暖炉に残っていた灰を持ってきてボールに移す。

あやべ吉水

▲そこにお湯を加え、その中にしばらくワラビをつけておくとアクと渋みが取れるのだそうです。

ワラビはスーパーとかでパック詰め加工モノが売ってたりするので、こんなアク抜き方法なんて一生知らないままになるところでした。

そして、出来あがったお昼ご飯はこちら!

あやべ吉水

▲先ほど摘んだばかりのワラビ、冷凍してあったサンマとニンジン・玉ねぎのかき揚げ。

あやべ吉水

▲こちらが積み立てウドの新芽のてんぷら。少しほろ苦くてウマイ!!最高!

森に囲まれた水源の里。自然に囲まれて食べるご飯は格別すぎる!

あやべ吉水滞在中は、天気が良くて寒くなければ(実際初日以外はずっと天気が良かった!)食事は外で頂くことにしました。
自然に囲まれて自然の恵みを頂く。おのずと手を合わせて感謝の気持ちを地球に伝えたくなります。

あやべ吉水

▲朝ごはんの風景。幸せご飯。

あやべ吉水

▲別の日の朝ごはん。トーストもおいしく頂きました。

あやべ吉水

▲お昼ご飯。お皿代わりにしているのは朴葉(ほおば)。山のおばあちゃんから頂いてきました(別記事参照)。

都会のコンビニ食と対角線上にあるような幸せすぎるご飯タイム。毎回涙が出るほどうまかった!
お米は3分づきの玄米、調味料などもほとんど使わず、みそ汁のダシは煮干しだけ。
そして何より中川誼美さんの提唱する「50度調理」は欠かせない。

水分を失いしなびかけた野菜も50度のお湯にさらすことで「ヒートショック」という現象が起き、細胞に水分が行きわたります。
その結果、取れたてのようなシャキシャキ野菜に生まれ変わり、おいしさが最大限に引き出されます。
野菜表面の汚れや雑菌も洗い落とすことができて良いことづくめの調理法なんです。

中川さんの著書にも詳しく書かれてあるので興味ある方は要チェック!!

あやべ吉水

▲三分づき玄米と焼きシャケ、そして庭に生えてた山椒の葉っぱを混ぜ込んだちらし寿司。甘酢ではなく米酢のみ。これがウマイ!

自然の中で体に優しい食事を感謝しながら食べていると、少しの量でも満足できるから不思議です。
ダイエットを考えている人はこの場所に来れば確実に健康的に痩せられるんじゃないかと思います。
女将いわく、ここではタバコ吸う人もお酒飲む人も不思議とその量が減るそうです。
考えてみればタバコもお酒も大食いも、ストレスを発散するか、欲を満たすための人間独自の行動。
自然に囲まれて体を動かしていればストレスなんか忘れ去り、常に気持ちが満たされるので無駄な欲も湧かない

人がほとんど訪れない杉林に囲まれた水源の里。そして龍穴というパワースポット。
こんな場所で風を感じながらご飯を頂く。

・・・どんな高級レストランの料理もかなわないな。