違和感を感じない波に乗る。あやべ吉水で開催された黒谷和紙とコウゾ食品のイベント

2017年12月5日

コウゾの葉っぱのラミネート

去年も2度訪れた京都の綾部にある「あやべ吉水」に今年も6月下旬から10日間ほど滞在してきました。

あやべ吉水とは?
杉に覆われた山と渓流に囲まれた水源の里、奥上林地区の山里。
そこに建てられた囲炉裏端のある茅葺屋根の木造古民家を改装して造られたお宿です。

あやべ吉水

去年の滞在・・・



こちらの投稿ではまだよく分かってなかったけど、この建物は以前「かやの里」という名前で生簀で育てられた新鮮な魚料理を出す料亭として大変栄えていたということです。

さて、今回はこのあやべ吉水にあるイベントのお手伝いという名目で滞在することになりました。


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黒谷和紙の作家作品展示会とコウゾ食品販売のイベントお手伝いに参加

京都の綾部は黒谷という場所で800年以上も続く紙すき技術を継承する人たちがいます。
紙の原料となる楮(コウゾ)は茎の部分だけを使用し、葉っぱの部分は廃棄してしまうそうです。
そこでこのコウゾの葉っぱを使用して何かできないかと考えた結果、出来上がったのがコウゾ餅やコウゾのシフォンケーキ。

これらを考案し加工から販売までを手がけるのが「すまいる工房」のみなさま。
綾部の上林地区で農産物や加工食品を自分たちで作って販売するパワフルなおばちゃんたちです。

このたび黒谷和紙の作家さんたちの作品展示と、これらコウゾの加工食品の販売を行うイベントが開催されることになり、そのフライヤーを制作させて頂きました。

kouzochirashi

その後話がとんとん拍子に進み、僕ら夫婦もこのイベントのお手伝いをすることに。
ついでに延泊して久しぶりのあやべ滞在を楽しむことにしました。

和紙の原料、楮(コウゾ)づくしの日々

黒谷和紙関係者のみなさんがコウゾの芽かきに行くというので、すまいる工房のおばさまたちと一緒に参加して葉っぱを採取しにいきました。

IMG_2836

▲これがコウゾの葉っぱ。和紙の原料として必要なのは茎の皮の部分だけなので、本来なら葉っぱは捨ててしまうところですが、これを頂いて餅やケーキの材料にします。

コウゾの葉っぱ収穫

▲日差しが強かったので完全防備で挑みましたよ。

一休み

▲皆黙々と作業をして、つかの間の休憩タイム。野良仕事って大変だけど終わった後の充実感は最高です。

あやべ吉水では通常の宿泊客のほかにもいろいろな来客者がちょくちょく訪れます。
夜遅い時間だったのに作戦会議を開くためすまいる工房のおばさまたちが来訪。熱い会話が繰り広げられました。

スマイル工房のおばさんたち

▲around seventyな皆様ですが、とにかく元気。まあ年齢は関係ないということです。

一方、別の日に黒谷和紙の工房を訪れました。

黒谷和紙は800年の昔、戦に破れた平家の落武者が追手を逃れ山里に隠れ住み生活の糧として始めたと言われています。昔から村のほとんどの住民が紙に携わる、紙漉きの里として栄えてきました。

黒谷和紙公式サイトより

昔から変わらない技巧で和紙づくりが営まれています。
ちょうど紙すきの作業をされているところにお邪魔しました。

▲紙すきの様子。腰を入れてかなり力を込めて紙すき作業が進められます。そのため黒谷和紙で作業されているみなさんは姿勢も良くてスタイルがいい!

そして迎えたイベントの日。
金土日と週末の3日間、ゆったりとした時間が流れる中開催されました。

バタバタしてて写真を撮らなかったのですが、女将とスマイル工房の皆様、黒谷和紙の作家さんたち、そして僕ら夫婦もお手伝いで加わって準備を進め、なんとか当日を迎えることができました。
イベントが始まってからも近隣のお客様のほか、地元の新聞社などメディアが取材に来たり綾部市の市長さんなどもお見えになってなかなかの盛況ぶりでした。

あやべ吉水

▲茅葺屋根の囲炉裏端ではコウゾ食品のほか、山菜てんぷら定食など食事も出されました。

こうぞまんじゅう

▲こうぞの葉っぱが擦り込まれたこうぞのお饅頭。ほんのり上品なコウゾの香りがします。そして粘りのある成分が含まれるためよく伸びるんです。

コウゾ和しふぉん

▲コウゾの葉が練りこまれたシフォンケーキ。コーヒーとセットで。コウゾの優しい香りが特徴的です。

黒谷和紙展示会

▲こちらは黒谷和紙さんの作品展示会場。

黒谷和紙展示会
黒谷和紙展示会

▲作品の数々。これら全部が和紙を使ってつくられた作品。

あやべ吉水

▲3日間のイベントが終わって関係者で集まって打ち上げをしました。宴もたけなわの頃、外に出て撮影。窓開けっぱなしでも虫があまり入ってこないのが不思議です。

今回、こんな面白いイベントを企画したのはあやべ吉水の女将さんである中川さん。
結果的に楽しく意義のあるイベントになってけど、思いついてから実行に移すのって結構エネルギーいりますよね。

ブレないコンセプトが生み出す行動力と実行力

常に先を見つめ、思い描いたことを実現するための行動を厭わず、気づけばいつの間にかゴールに近づいている。いつもアクティブで常に前向き。
・・・そんな「行動力の塊みたいな人」に時々遭遇します。

中川さんもまさにそんなタイプの人で、会うたびに何か新しいことを考えていて即実行。その行動力には毎度驚かされます。
彼女とは大磯で知り合い、普段からよく食事をご一緒したり夜遅くまでお話をしたりと、年齢の差をまったく感じさせない間柄で夫婦共々仲良くさせてもらっています。
今回のイベントも「黒谷和紙→原料の楮」「地元農家のおばさんたち+加工食品」というふたつの要素をうまく融合させて認知度UPあるいは売り上げにつながるような仕組みを作るのが目的。そこに向かっての行動が早いこと・・・。

しかしただ単に認知度や売り上げにつながればいいのかというと、それはあくまで二次的なもの。
彼女の中では「少し前の日本の暮らし」の提唱、または「自然の恵みを活かしたオーガニックな食生活」など、ずっと保ち続けているコンセプトに当てはまることであれば、それが行動・実行へのシンプルな理由付けになるんですね。
誰しも自分の中で抱き続けているコンセプトやポリシーみたいのがあると思いますが、日常のいろんなことが障害になって実際に行動に移せないことが多いと思います。
そういう意味でも中川さん自身のコンセプトに従う貪欲さというか、一途なところがなかなか真似できないところでもあり、自然と多くの人を引き寄せ、動かせる力にもなってるんだと思うのです。

コウゾの葉っぱのラミネート

▲コウゾの葉っぱをラミネートしたら良い感じになった。

今回のケセラセラ 「違和感を感じない波に乗れ」

僕ら夫婦も「シンプルでミニマルな日常」「オーガニックな食生活」などぼんやりしたコンセプトがありますが、まったく貪欲さはなく、突き詰めることもしない気楽な人たちです。だからこそ、似たようなコンセプトを持つ中川さんが実直にいろんなムーブメントを起こすところに惹かれるのかもしれません。自分らにはなかなか真似できないけど、そのムーブメントに乗っかるのは楽しいし、なにより考え方の周波数というか心の方向性が似ているため、違和感を感じることがないんですよね。

自分で何か行動に移すことが苦手な人は、似たようなコンセプトを持つ人が巻き起こすムーブメントに乗っかっちゃえばいいんだと思うのです。
違和感を感じない「波」に乗ってから自分の得意なことを発揮できれば、結果その中で一つの意義ある役割を演じることになる。

今回の黒谷和紙とコウゾ食品のイベントでは初対面の人も多かったのですが、似たような心を持つ人が集まり、とても居心地良くさせてもらいました。
ムーブメントとはいかないまでも、和紙とコウゾ食品を知ってもらう素晴らしい機会になったのではないでしょうか。

ゼロからいきなり50に行くのではなく、まず「イチ」から始める。
何にでも言えることですが、それをあらゆるステージでサクサク進めてしまう人が必ずどこにでもいるっていうことですね。
あっちこっちにそういう「波」が起きています。参加して見極めて、違和感を感じない波が合ったら乗っかっちゃえ! という話でございました。

あやべ吉水周辺散歩

▲イベントが終わった翌日、立てかけた看板を撤去しにいく時の様子。朝の散歩、最高っス!

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