映画「FLAMENCO FLAMENCO」を見てきたよ
2日前にこんな映画がやってることを知り、昨日早速見てきました。
渋谷のbunkamuraでしかやってないので、わざわざ出かけてきました。
あれこれ書くと長くなりそうなので手短に書くと、「いや~良かったなー!」
Carlos Sauraの15年前の前作(と言っていいのかな?)「Flamenco」も良かったけど、今回も最初から最後まで楽しめました。
前作の最後があの曲で、今回の最初もあの曲!
「おー!つながってる感じ!?」
みたいに勝手に解釈。
ベテランの巨匠から若手の実力派、味わい深いカンテ、熟練したギターラ、モダンでエレガントあるいは技巧派でパワフルなバイレ。
現代のフラメンコを隅から隅まで眺めるような感じで、マニアなアフィシオナドはもちろん、フラメンコに興味のある人なら十分に楽しめる出来だと思います。
逆にフラメンコのことをあまり知らない人が見ると、「え?こんなのもフラメンコなの?」とポカーンとする場面もあるかも。
僕はこの映画を見ながら終始ニンマリとしておりました。
好きなアルティスタが変わらぬ勢いで弾き、歌い、踊ってる様子がなんともうれしかったです。
だけど、前作でイキイキとしていたアルティスタが既にこの世を去ってしまったのもふと思い出し、ちょっと感慨深くもなった。
エル・ファルーコ、チョコラテ、マリオ・マヤ、パケーラ・デ・ヘレス、マンサニータ、フェルナンダ&ベルナルダ・デ・ウトレーラ…。
今作で元気な姿を見せていたモライート・チコも最近亡くなってしまったんだよな~
マノロ・サンルーカルも結構なおじいちゃんになっちゃったよな。
でも味わい深さが増して素敵なギターを聞かせてくれました。
我らがパコ・デ・ルシアは全く劣らない力強さとアイレ出まくりのギターが健在。
んー、この人はまだまだ全然やっていけるなー!
前作でガキンチョだったファルキートはいいおっさんになっていたけど、すんごく楽しそうに踊っていました。事故起こしたりしてちょっと大変な時期もあったけど。
大好きなニーニャ・パストーリの歌。なんか、めっちゃ楽しそうに歌ってたなー。
トマティートも終始笑顔。こういうのいいねー!
映画「Volver」でファンになったエストレジャ・モレンテ。
フラメンコはシャガレ声だけじゃない、アイレだ、グラシアだ!エレガンシアだ!
という面を存分に味あわせてくれました。
実際会ったことのあるアルティスタもみんながんばってる。
イスラエル・ガルバンとかジェルバブエナの後ろで歌ってたエンリケおやじとか。
なんかいろいろ懐かしいな。
十数年前、自分もフラメンコギターをちゃんとやっていこうと思っていた時期があったけど、スペインに二度ほど行って実際本場のフラメンコを見てきて「あ、こりゃ到底日本人にはできないな。」と勝手に悟ってしまい、早々に退散することにしました。
んで、気楽に楽しめるジプシールンバの道へ。わははー!
なんつーか、ものすごく上達してうまくなったとしても、スペインのGitanoたちが持つ「心の中の叫び」みたいなものって、文化も歴史も生活習慣もまるで違う日本人が簡単に出せるものではない。
(あくまで個人的あきらめであって、日本人のフラメンコを否定するものじゃないよ。むしろそうやってがんばってる人たちはすごいと思うし尊敬します。)
ということで自分的にフラメンコは「やるもの」ではなく「見るもの・聴くもの」へと変わった次第です。
おかげで結構マニアックな知識だけはつきました。
浜田滋郎著「フラメンコの歴史」も何回読み返したことか。
・・・ありゃ、手短にといいつつすごく長くなってしまった。
まあとにかく映画「FLAMENCO FLAMENCO」、個人的にはすごくお勧め映画です。
映画というより、芸術作品と捉えた方がいいかもね。