北部州への入域許可証待ちのためバブニヤで1泊
スリランカ北東海岸の町トリンコマリーに5日間滞在。
その後さらに南下して素朴なビーチを攻めて行くというプランも浮上しましたが、結局、北部の町ジャフナを目指すことに決めました。
理由は、この時期(6-7月)は北部は乾季で雨も少なく旅行しやすそうだから、また、2009年まで行われていた内戦のため旅行者は入ることができなかったエリアをじっくり見てみたかったから、というのもあります。
(ビーチはトリンコマリーで堪能できたので未練なし!)
北部エリアへ入るには政府発行の許可証が必要?
ここでスリランカ内戦についておさらい。
スリランカには多数派民族のシンハラ人と島の北東部を中心に居住する少数派民族のタミル人で主に構成されています。
古代より混住してきた両民族ですが、イギリスから独立した後にシンハラ語公用語化を始め、シンハラ人優遇政策がとられ、民族間の対立が激化。そして1983年にタミル人が反政府組織「タミル・イーラム解放のトラ (LTTE)」を立ち上げると、スリランカ政府軍と内戦を開始。
タミル人の支配する北東部が激戦地となり、長い年月の間内戦が続きます。
そして2009年にようやくスリランカ政府軍がLTTE支配地域を制圧して26年にわたる内戦は終結しました。
内戦後は主戦場だった北部州の復興が加速度的に進んで、今では安心して旅行できるようになりました。
とはいうものの、タミル人とスリランカ政府との対立が完全に収まったというわけではなく、政治的な面でまだまだ不安定な状況は続いています。(日本国内だって与党・野党でずーっと対立してますもんね、どこの国でも見られることですが。)
で、ここで一つ問題が。
昨年(2014年)10月にスリランカ政府がある「おふれ」を出しました。
それは「北部州を訪れる外国人の事前承認」というもの。
なにやら、海外へ移住したタミル人支持派団体が北部州で活動するのを防ぐ目的があるとか。
主に欧米諸国へ移住したタミル人支持派に向けての「おふれ」なのですが、どういうわけか全ての外国人対象とのこと。
つまり何の関係もない我々日本人旅行者も対象ってこと・・・?
ただしあくまで事前承認。ちゃんと許可証を申請して承認を得れば問題ないようです。
「おふれ」についてはスリランカ防衛省のWEBサイトに掲載されています。
※2016年7月追記 現在外国人の北部州への移動制限に関する声明は出されていないようです。渡航をお考えの方は外務省の治安情報などをご確認ください。
申請の方法などは地球の歩き方のWEBサイトに出ておりました。
必要事項を記入してスリランカ防衛省へFAXかメールを送る必要があるとのこと。
しかし送り先のメールアドレスが「yahoo.com」というのはどうなんだろう・・・
許可証を申請したものの音沙汰全くナシ
トリンコマリー滞在中にメールで許可証の申請を出したのですが、一向に返事無し。
2日間待ったけど音沙汰なしなので、とりあえず歩を進めようとのことで北部州への玄関口となるバブニヤという町へ移動してきたわけです。
しかしそれでも返答が無かったので、もう1日待ってみることに。
そんなわけで急きょバブニヤという、ガイドブックにも載っていないマニアックな町に滞在することと相成ったわけです。
バブニヤで泊った宿
トリンコマリーのバスターミナルからバブニヤまでバスで2時間ほど。料金は124ルピーでした。
バブニヤのバスターミナルは街中の道路沿い、かなりゴチャゴチャした感じの場所でした。
そこからGoogle Mapを頼りに列車駅の方へと歩いて行きます。
バブニヤで1泊した宿は列車駅のすぐ目の前にある「Puleys Balmoral Hotel and Rest House」というホテル。
agoda “Puleys Balmoral Hotel and Rest House"
広々した敷地に木々が生い茂り、駅前だと言うのに静かな環境でした。
敷地内に宿泊棟やレストラン、会議室など、幾つか建物がありました。
僕らが泊った部屋はレストランの奥にあり、窓は小さいけど室内やシャワールームは綺麗で悪くありません。
テレビが故障しているのは良くあることです。
バブニヤの一押し食堂
なんだかシンプルでヘルシーなスリランカ・カレーをがっつり食べたい気分だったので、ベジタリアン向けのスリランカ食堂へ。
その名も「gnanams cafe」。バス停留所の割と近くにあります。
cafeと言ってもモロに大衆食堂と言った感じの作り。
tripadvisor “gnanams cafe"
ここではどっさり盛られた白いご飯に4種のカレーをドバドバかけたいだけかけて、食べたいだけお変わりができるシステムでした。
見た目悪いですが、とにかくガッツリもりもり食べたい時は最高。おいしく頂きました。
▲4種類のカレーポットから取り放題。しかし一つのスプーンで盛り付けるので味が混ざっちゃうんじゃ・・・という細かい心配はしないようにしましょう。
▲盛り合わせの唐辛子フライ。辛みは飛び、塩見が効いていて香ばしい!
お腹一杯食べて2人で280ルピー(230円ほど)。安いなー。
バブニヤの夕暮れ散歩
バブニヤにはこれと言って見どころがあるわけじゃないのですが、街をプラプラ歩くだけでも面白いものです。
バブニヤの町に隣接するように湖があるのですが、その周辺に市場や商業ストリートがあって、特に当てもなく店先を冷やかしながら歩いてみました。
▲金物屋さん冷やかし中。
▲いろいろなお店が立ち並ぶ商業ストリート。
スリランカにもイスラム教があり、時間になるとコーランが鳴り響きます。
バブニヤのモスク「Grand Jummah Mosque」が夕闇に浮かびあがり、コーランが聞えて来るとなんともエキゾチックな気分に。
街の雰囲気を動画に撮ってみました。
↓
Vavuniya city, Sri Lanka
歩き疲れたらカフェで小休止。
「Fruits Salad」なるメニューがあったので果物の盛り合わせ的なものが出て来るのかと思いきや・・・
このパフェみたいのをスリランカではフルーツサラダと呼ぶそうです。気をつけましょう・・・
今回のケセラセラ
当初予定になかったけど急きょ泊ることになったバブニヤの町。
これといって大きな特徴がある場所じゃないのですが、時間に余裕があるのなら、ガイドブックにも載っていないような街を当てもなくウロウロするのもたまにはいいものです。
それにしても、北部州への許可証の返答が全くありません。
もう無視して許可証なしで行ってみるほかありませんね。
次回へ続く。