【中国旅行】Google Mapの現在地表示が何か変!→ズレを修正する小技でなんとかなった

中国旅行 Google Map ズレを修正する方法

SIMカードやVPNで中国本土のどこでも快適にネット接続できたのですが、頻繁に使うアプリで唯一困ってたのが、Google Mapの位置がズレるという問題
中国国内では独自の座標系を採用しているようで、Google Mapで現在地を指定すると微妙に異なる位置がポイントされてしまいます。
試行錯誤した結果、ある小技を使うことでなんとか中国でGoogle Mapを使いこなせるようになりました。
今回はその経緯やノウハウをお伝えします。

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ランダムなズレが生じる中国の測地系

今回の中国の旅で初めて重慶の町に降り立ち、さっそく町歩きをしようとしてGoogle Mapを開きました。
しばらく首を傾げながら歩いてたのですが、どうやらGPSが正確な位置を指し示していないということにすぐ気づきました。
これにはこんな理由があるみたいです。

中華人民共和国国内における地理情報データの利用は、安全保障上の理由により、国務院の下位機関である国家測量製図地理情報局から特別な許可を得た者のみに制限されている 。 その結果、多くの地図アプリケーションにおいて、中国国内の道路地図における道路と衛星地図情報が一致せず、オープンストリートマップなどのクラウドソーシングを利用した地図作成に関する活動が、非合法状態となっている。

Wikipediaより引用

現在世界の多くのデジタル地図はWGS-84という測地系を採用しているのに対して、中国は安全保障上の理由で、GCJ-02という難読なアルゴリズムの測地系を採用しているそうな。この測地系は「ランダムなズレ」が生じる特性があり、WGS-84測地系を採用しているGoogle Mapを中国で開くと、数十~数百メートルほどの誤差が生じるとのこと。

今回、重慶から昆明に移動し、雲南省の幾つかの町を歩いたのですが、町によってこのズレが微妙に異なるのも厄介でした。

ベトナムとの国境の町、河口をGoogle Mapで開くと、正常に表示されるベトナム国内との境のためか、表示がなんだかおかしいことになっています。

最初これを見たときは、河口という町、そしてベトナム側のラオカイは川の中にたくさん橋がかかってるのかと本気で思ってました。

中国でまともに使えるのは百度MAP。しかしアプリはやたらバッテリーを食う

こんなんじゃ中国ではGoogle Mapはまともに使えんなー。
ならば中国国内で使用されているMAPアプリを使えばいいんじゃね?ということでダウンロードしたアプリがこちら。

百度MAP
百度地图(Baidu Map)

上述のGCJ-02座標系の暗号化をさらに強化されたBD-09という測地系を採用しているとのことで、中国本土でも正確な位置が表示されます。

さっそく町歩きの際にアプリを開きながら目的地を指定して歩いてみました。
表示はもちろん中国語ですが、アイコンなど直感的に操作しやすく、目的地までの経路図も明確で非常に分かりやすい。
なんだ、中国ではこのアプリを使えばいいのかと一安心。

ところが!

重慶で百度MAPを使う

▲百度MAPアプリを開きながら重慶の町を散策。快適に使えるな思ったものの・・・

・・・なんだか知らないけどバッテリーの減りがやたらと早いのです。

満タンだったiPhoneのバッテリーが町歩きをしている間に、気づけば半分、数時間起動させっぱなしにしてたらレッドゾーンに食い込むほど減ってました。

バックグラウンドで何か得体の知れない処理が行われているのかもしれない。よくわからんけど。
ちょっと気味が悪かったので結局この百度MAPは削除。

Chromeなどのブラウザアプリで開いた百度MAPは現在地から移動せず

百度MAPのアプリを使わずにChromeブラウザで百度MAPのページを開いて代用しました。

ところがどっこい、Chromeアプリで開いた百度MAPは正確な現在位置こそ指し示してくれますが、その場所から移動してもGPSが反応せずにポインターも元の位置のまま動かず。
ちなみにSafariで開いても同様でした。

うーん、なかなかうまくいかないなーと思いつつも、MAPを開いた時には正確な位置が表示されるので、その点だけは安心できます。

Google Mapのズレを無理矢理修正するアナログな小技

で、再びGoogle Mapでなんとかならないかと考えました。
使い慣れた地図アプリなので、多少のズレは気にせず使えればいいかなと。

GCJ-02座標系はランダムなズレが生じるといっても歩くたびに大幅に位置がズレるというようなことはなく、MAP上のズレと現在の正確な位置が把握できればなんとかなりそうな気がしました。

町によって異なるのですが、例えば雲南省の大理という町ではMAP上の現在地から右に1cm、下に3cmくらいの位置が本当の現在地ということがわかってきます。これは通りの名前や目印となる建物などで判断します。
要はそのズレた場所を正確な位置として、アナログなやり方で修正すればいいのです。

Google map

つまり・・・

iPhoneの画面にペンで点を書いちゃう

ズレた場所が正確な位置なので、そこに躊躇せずペンでポッチを描いちゃいます。
僕はiPhoneにアンチグレアの保護フィルムを貼っていたのでボールペンでも描けましたが、フィルムを貼ってない場合やガラスフィルムなどの場合はボールペンで書けないので油性のマジックペンとかで描きます。
(最初はテープみたいのを貼ってましたが、すぐ取れてなくなっちゃうのでペンの方がいいかも)

▲Google Mapのズレを修正する方法を喋ってるときの映像。

こうすることで大まかですがGoogle Mapで現在位置を常に把握することができます。
ただし、町を移動するとそのズレ具合が変わってきますので、再び場所を確認して正確な位置にポッチを描き直せばいいわけです。

▲麗江の町に移動したらズレ具合が異なることに気づいたときの映像。

マジックペンで描いてもスマホを頻繁に使っているうちに消えていきます。
どうしてもペンで描きたくない場合は水で消せるマジックペンがあるのでこれがいいかも。

スマホにポッチを描いてGoogle Mapを使う方法で気をつけなければいけないことがあります。
それは、MAPを拡大すると現在地がどこだかわからなくなるということ。
ズームインまたはズームアウトしていないデフォルトの尺度で「ポッチ作戦」が功を奏すわけなので当たり前ですね。

中国旅行中に地図を確認するためにやっていた方法と手順

Google Mapは中国本土だと道が少し大雑把に表示されてたり、あるはずの道がなかったり、宿やレストランの正確な場所が見つけられなかったりする場合があります。
なので、

  1. まずは詳細に表示される百度MAPで現在地と目的地を検索し、
  2. その場所を目視で把握したら、Google Mapを再び開いて把握した場所をポイント。
  3. ズレが生じている自分の現在地を見落とさないようにポイントした目的地へ向かって歩いていきます。

百度MAPとGOOGLE MAPで角煮N

かなり面倒なやり方なんですが、中国では結局この方法しか思いつかず、どの町に行ってもだいたいこの手順でやってました。
参考になるかわからんのですが、慣れるとこれが当たり前になってスムーズにできるようになりました。人間の慣れとはすごいものです。

今回のケセラセラ 郷に入りては郷に従え

中国でGoogle Mapをなんとか使いこなす方法をアレコレ書いておきながらこんなこと言うのもなんですが、なんだかんだ中国はGoogleを排除しているわけで、できることなら中国産の製品でなんとかしたいところです。
素直に百度MAPやその他の中華製アプリを使って、バッテリーの減りが激しい時は外付けの予備バッテリーを装着するなどして対策すればいいかと思います。

英語もほとんど通じない中国。個人旅行するなら中国語も少しは勉強して旅行にのぞむのがベターです。
それと同じで、中国では「外国製品」に頼らず「中国独自の製品」を使いこなしたいところです。

どこにいってもそうですが、郷に入りては郷に従え
Googleの使えない中国では脱Googleくらいの勢いで旅をすると、また違った楽しみが出てくるかもしれません。

・・・とはいえ、完全にGoogle先生のお世話になりっぱなしの日本人としてはつらいところですね。