夏の終わりの恐怖体験

5444a6bd.jpg今回のblogはホラーの要素を含んでいるので、心臓の弱い方は読まないことをお勧めします。

前回のblogで予告したように、いつもの登山仲間3人で先日丹沢~蛭ガ岳へ登山にいってきました。

hiru1大倉というところからひたすら尾根を登っていき、昼過ぎにのんびりと塔ガ岳登頂。
少し休んで一日目の目的地、丹沢山へ向かいます。
下界は天気が良かったようですが、山はかなりガスが出ており、視界は最悪でした。
おまけに数日前に通り過ぎた台風の影響がモロ出ており、あちらこちら木々がなぎ倒され、道が崩れ落ちているところもあったりしました。
丹沢の山小屋で一泊。ここのオーナーが相当な山好きらしく、半年仕事しては半年は世界のどこかの山に登りに行っているという。山小屋のインテリアもなんとなくネパールっぽさが感じられました。

hiru2夜は仲間と酒を飲む。
おつまみのメニューはインスタントラーメンとか魚の缶詰とかちょっとしたものなんだけど、これがめちゃくちゃウマイ!
「料理のおいしさ」を語るとしたら、食べる時の雰囲気、状況がモノを言うと思います。
家で一人でフランス料理のフルコースを食べてもそれほどうまいと感じないと思います。
味覚的なうまさより、雰囲気的な味わいを楽しみたいところです。

翌朝、少しのんびり、朝の7時過ぎに出発。
神奈川県最高峰の蛭ガ岳を目指すhiru3


ここで気になるのはこの山の名前です。
「蛭ガ岳」・・・どうせ昔の人がつけた名前の名残だろうな、くらいにしか考えていませんでした。
それが、あとでとんでもない大惨事結びつくとはそのとき考えもせずに。

hiru4とりあえず蛭ガ岳山頂へは何の問題もなく、トラブルもなく登頂してしまいました。
山頂はやはり霧が濃く、見えるはずの富士山の絶景も拝むことなくすぐに下山。
下山といっても何度か小高い山を上り下りしなくてはならず、かなり時間もかかりました。
ふもとへ降りるのにいくつかルートがあり、僕らはあまりメジャーではない宮ヶ瀬方面への道を選ぶことにしました。

しかし・・・ここが地獄のホラーワールドへの入り口となっていたのです・・・。

ほとんど人が通らないせいか道は大荒れ。
大雨で道が原型をとどめておらず、手探りで歩いていきました。
雑草やイバラの木々やわけのわからん植物が道を覆いつくしており、土手と崖の間の歩くところが10cmもない場所も数え切れないほどあったりしました。
地面も先日の雨でぐしゃぐしゃ。
僕ら3人はそれでも雑草を掻き分け、道なき道をひたすら進んでいきました。

ところが仲間の一人が、あることに気づいてしまった。

ふと靴の周りを見ると、そこには無数の ヒル  HIRU!!

「うおおおおおー!」

ズボンをめくって足首ら辺を見ると数え切れないほどのヒルの大群が!!

戦慄が走った。背筋が凍りつき、冷や汗が出てきました。

「ヒルがくっついたら火であぶって落とせばいいや」
なんて悠長なことは言ってられない。
とにかく目に見える範囲で足にくっついているヒルを引き剥がし、怒りを込めてぶち投げるが、それでも新手のヒルが体をうねらせて次々と這い上がってくる。
まさに悪夢のようでした。
今までこれほどまでに恐ろしい小動物に出会ったことはない。
ゴキブリなんてかわいいほうです。なぜなら人を襲わないから。血を吸ったりなんかしないから。
ヒルは違う。かなりポジティブに攻撃を仕掛けてくる。
まるで血に飢えた吸血鬼そのものです。

体はかなり疲れているにもかかわらず、そこでスイッチが入ったかのように「逃走」モードへと変わりました。
この場でヒル退治しても次々襲ってくるので、とにかく血を吸われてもかまないからダッシュで下山し、安全な場所で駆除しようと考えました。
普通では考えられないようなスピードで下山開始。
火事場の馬鹿力というやつだろうか。
足先にニョロニョロと動くものが感じられたが我慢してとにかく下山。
あまり痛みは感じられないのだが、たまにチクッとする感触があります。
それがヒルの怖いところ。それほど痛みを感じさせないで吸血するところがなんとも恐ろしい。
靴を履いて歩いていても、どうやってるのか分からんが、とにかく靴を這い登ってくる。
まさにどうしようもない状況です。

「戦慄の現場」から約20分でようやくふもとへ到着しました。
それでなりふりかまわず靴を脱ぎ捨てると、いるわいるわ。
靴紐の下とか靴底の下とか、おまけに靴下の中まで!
10匹くらいが足にまとわりついており、合計で30匹くらいが靴の中から出てきただろうか。
むりやり引き剥がしたので足の周りは出血多量!
うわさどおり、針が残ってしまったのか血がなかなか止まらない。

他2人も同じような状況でしたが、僕は特にひどいようでした。
血が止まらないのでトイレットペーパーをぐるぐる巻いたりして、とにかくその場を後にすることにしました。
ハタからみたら戦場から逃れてきた落ち武者のようだったろうな。

hiru5とにかく蛭ガ岳の名前は伊達ではなかった。
そしてヒルを甘く見すぎていました。
夏の丹沢、特に雨が降った後は登らないほうがいい。