インド南部のおすすめスポット!ハンピは奇岩とヒンドゥー寺院、そして音楽の町
今回のインド旅行でかなり印象に残っている場所があります。
南部のカルナータカ州の内陸にあるハンピという小さな町なんですが、今回はその時のレポートをお伝えしようと思います。
ハンピの歴史
周辺を流れるトゥンガバドラー川が昔「Pampa」と呼ばれ、この地域の言葉カンナダ語の呼び名が「Hampe」となり、それがやがて「Hampi」と呼ばれるようになったそうな。ちなみにPampaとはインド神話に出てくるブラフマー神の娘の名前。
かつてこの場所に「ヴィジャヤナガル王国」の首都が建設され繁栄した時代がありました。その時の建造物が今も良い状態で残っており、それらの建造物群がユネスコ世界文化遺産にも登録されています。
Wikipedia “Hampi"
ハンピの行き方
ハンピはカルナータカ州の北部、内陸の小さな村です。
ゴアやバンガロールからハンピまで直通バスがある他、ハンピの近くの都市ホスペットにはムンバイなどの大都市他、周辺の各都市からバス網が結ばれてます。鉄道駅もあり、列車の旅をしている場合はこのホスペットが起点となります。
バスの場合、どの都市からも比較的離れているため、夜に出発して朝ホスペットに到着するスリーパーバスが旅行者に人気です。
僕らはプネーで夜行バスに乗り、朝ホスペットに到着。ホスペットのバスターミナルからローカルなバスに乗ってハンピへと向かいました。
▲プネーからホスペットまで乗ったスリーパーバス。かなりハードな乗り心地だった。
ホスペットに朝到着したらバスターミナルまで歩いて移動します。バス会社によって下ろされる場所が異なりますが、だいたいバスターミナル周辺で下ろされます。オートリキシャ―の勧誘が激しいですが、無視して歩いてバスターミナルまで移動しましょう。
ホスペットのバスターミナルからハンピまで頻繁にローカルバスが出ているので、それを利用します。
ホスペットからハンピまではローカルバスで30分くらいです。
ハンピの宿
ホスペットからのローカルバスでハンピにたどり着くと、目の前に「ヴィルパークシャ寺院」というハンピのランドマーク的なヒンドゥー寺院が目に飛び込んできます。このエリアは「ハンピバザール」と呼ばれ安宿はその寺院周辺にたくさんあります。
うちらが今回泊まったのは「Shambhu Guest House」というゲストハウス。ヴィルパークシャ寺院のすぐそばで非常に便利な場所です。
2泊で1700ルピー(2800円くらい)。宿のレベルからするとやや高い気がしますがシーズン真っ最中の人気観光地なのでこんなものでしょう。
ちなみに僕らが行った2月はハイシーズンにあたり、どこのゲストハウスもなかなかの混みようで、予約も取りづらくなってました。
他にも人気の安宿がいろいろありましたが、軒並み予約いっぱい。値段も通常の2~3倍くらいに跳ね上がってました。
この時期にハンピに行く場合は、事前の予約が必要です。(予約しなくても宿はあるけどあまり期待しない方がいいかも。)
ハンピのゲストハウスは旅行業も兼業で営んでいることが多く、ツアーやバスの手配、リキシャ―ガイドなんかを引き受けてくれます。
ルーフトップでヴィルパークシャ寺院と周辺の絶景を楽しもう
ハンピバザールのゲストハウスやカフェ・レストランはルーフトップが整備されており、寺院や周辺の丘の景観を楽しめるようになってるところが多いです。
僕らが泊まってたShambhu Guest Houseも自由に屋上に上がれることができました。
朝と夕方の涼しい時間にルーフトップで絶景を堪能しつつ、ヨガをしたりお茶を飲みながら本を読んだりしてゆったり過ごしている時間がなんとも幸せでした。
▲中二階に寺院をバックにしたこじんまりスペースがあり、そこでお茶飲みながらMACを開く。まさに至高の時間。
ハンピのおすすめレストラン・カフェ
インドの喧騒に疲れてゆったりするためにハンピを訪れるバックパッカーも少なくないようです。
そんなバックパッカーを意識したヒッピー風のカフェも多く、それぞれ趣向を凝らした楽しい空間を作ってます。
Archana Guest Houseのテラスカフェ
ハンピに流れるトゥンガバドラー川に面したゲストハウス付属のカフェがなかなかいい感じでした。
川に面したカフェは開放感満点!すばらしい景観を眺めながら時間を忘れてのんびりできます
▲この絶景を前にお茶や食事ができる。値段もそれほど高くない。
ラフィングブッダ
ハンピバザールからトゥンガバドラー川を渡った向こう岸にある隠れ家的なカフェ。
川に面した開放的なスペース。ダラリと横になったりもできるくつろぎの空間。欧米のバックパッカーに大人気なのもうなずけます。
▲店の入り口。運がいいと猫が出迎えてくれる♥
▲午前中のすいてる時間はゆったりできておススメ。
ラフィングブッダではランチ前の午前中は人も少なくてゆったりできます。
混み合う時間は席がすべて埋まるほどの人気っぷり。メニューの値段も少し高めだけどゆったりと過ごすには最高の場所です。
▲ランチ時の混み合う時間帯はこの有様。欧米さんたちが思い思い時間をゆったり過ごしてる。Wifiつながりも良い。
ハンピバザール周辺の見どころスポット
周辺で実際に行ってみたおススメスポットをご紹介!
ヴィルパークシャ寺院
ハンピのランドマーク的なヒンドゥー寺院です。
巨大な門をくぐると広々とした中庭があり、その先に寺院内部の敷地へと入る入口があります。写真を撮る場合はカメラ持ち込み料を徴収されます。
▲ハンピの象徴とも言えるゴープラム(塔門)。かなり立派な建造物。
▲ゴープラムをくぐり抜けるところ。
▲中庭の広場で子犬がお出迎え。
▲純真なインドの子供たち。カメラを向けると笑いながら近づいてきた。
寺院内は土足禁止。裸足になって石畳の上を歩き、薄暗く厳かな雰囲気が漂うヒンドゥーの祭壇を見て回りました。(撮影料を払わなかったので敷地内の写真はありません。)
▲ヨガ娘の記念撮影。
マタンガ丘
ヴィルパークシャ寺院の反対側、ハンピバザールの東側にそびえるマタンガ丘は、村全体が見渡せ夕日スポットとしても人気の場所です。
30分もあれば丘の頂上に登ることができ、気楽なハイキング気分で行くことができます。
▲Google Mapのルート検索ではハンピバザールから徒歩19分と出る。
夕方の結構遅い時間から登り始めて日暮れまでにちゃんと帰ってこれるのか心配でしたが、往復で40分も見ておけば大丈夫でした。
▲マタンガ丘の入り口付近。日暮れまでに戻ってこられるか・・・?
▲階段のところに牛さんが。人も少なくのんびりした雰囲気。
▲登り始めたときにヴィルパークシャ寺院の方を振り返る。
▲特に細かい道しるべなどなく、なんとなく道なりに進む。周りは灌木が生い茂っていてワイルドな雰囲気。
▲丘を周りこむようにして斜面の通路を進む。登るにつれて道も険しくなる。がんばれ、もう少し!
▲そしてついに頂上!どうですこの景色。
▲丘を登りきって感慨に耽る男。
丘への道は険しいポイントもあり、僕らはサンダルで登ったのですが、できればトレッキングシューズなどをはいて登った方が良さそうです。
滑って転んで怪我しても完全自己責任ですので、無理はせず足元に注意しながら楽しいマタンガ・ヒルクライムを!
トゥンガバドラー川の象の水浴び
朝8時くらいに川に行くと象さんの水浴びを間近で見ることができます。
ヴィルパークシャ寺院には一頭の象が神の化身として大事に育てられており、その象が朝の沐浴をしに川に連れてこられるのです。
▲クリシュナと呼ばれる象さんが、ちょうど象が川岸に入るところ。大迫力!
▲川に入ったところでお布施を渡すと象さんが鼻で水をすくってブシャーッと吹きかけてくれる。とてもご利益があるのだとか。
最後はクリシュナちゃんが川の中に横たわって、象使いがきれいに体を洗ってあげます。
その様子もなかなか壮観。ここでしか見られない貴重な光景です。
映像でどうぞー
川を渡った対岸のエリアが面白い
ハンピバザールの向こう岸もバックパッカー向けのゲストハウスやカフェなどがたくさんあり、時間があれば足を伸ばしたいところ。
川の渡り方3選
橋のかかっていないトゥンガバドラー川の渡り方は3種類あります。
- 乗り合いのボートに乗る
10人から20人ほど乗れるボートに乗って向こう岸に渡る方法。人が集まらないとなかなか出発してくれない。10ルピーほど。人が集まらないと少し高くなる。 - 観光用のザルみたいな舟に乗る
丸い巨大なザルみたいのを改造した舟。船頭さんが漕いで向こう岸まで連れて行ってくれる。風情がある。一人50ルピー。大勢で乗れば安くなるかも。 - 歩いて渡る
川の浅い部分を注意しながら渡る。
1の乗り合いボートは客が集まらないと本当になかなか出発してくれない。すごくイライラするのでおすすめできません。
2のザル舟は少し高いけど一度は記念に乗って見るのもいいかも。1度だけでいいかも。
ということで一番おすすめは3の歩いて渡るですね。
雨とか降ったらまた違うのかもしれないけど、乾季の時期なんかは水量もそれほどなく、浅い部分を注意して渡れば簡単に向こう岸にたどり着けます。
▲ザル舟に乗ろうとする欧米人。値段交渉とかしてる。こういうのが面倒。
▲乗り合いボートがなかなか出発しない時に舟の船頭がザル舟で遊んでるところ。遊んでるんならさっさと出発してくれ!
▲結局歩いて渡るのが一番楽。水が冷たくて気持ちいい!
ライスフィールドが美しい
川を渡るとL字に道が伸びていて、周りは美しいライスフィールドが続いております。
この景色を見るだけでもこちら岸に来る価値ありかも。
バイクを借りてハヌマーン寺院に行ってみよう
レンタバイクで周辺の見所を回るのも一つの楽しみです。
僕らはバイクを1台借りて、ハヌマーン寺というところに行ってみました。
▲半日借りて確か100ルピー。デポジットもパスポート預けもなく、その場ですぐ借りられた。ただしオンボロ。パワーがなく二人乗りだと坂も登れない。
アンジャナ・マーター寺院(別名:ハヌマーン寺)
ヒンドゥー神話に出て来る猿の格好をした戦士、ハヌマーンが生まれたのがこのアンジャナという場所だという逸話あり。
川沿いの地区からバイクで10~15分くらい。丘のふもとにバイクを止めて丘を登ります。
▲全部で575段ある階段を登った先にハヌマーン寺がある。
昼過ぎの暑い時間だったけど気合いで登りました。水ボトルと帽子は必須アイテムです。
だいたい30-40分くらいで頂上にたどり着けました。
▲頂上の寺院。白く塗られた建物が空に映える。
▲ふもとのジャーマンベーカリーで買ったシナモンロールをご褒美にいただく。ピント合ってないやん。
▲暑い時間だったためか観光客は少なめ。ハヌマーンになった気分で裸足で岩を飛び越える男。
誰でもセッション参加OK!Gali Musical Shopに行ってみよう
ハンピバザールの川を渡った対岸の地区は世界各地からいろいろなバックパッカーが集まり、まるでヒッピー村のような雰囲気もあります。
(ちなみにロッククライミングとかボルダリングでも有名な場所らしく、岩登りが目的で訪れる人も少なくないようです。)
また、対岸の地区を歩いていると「Music Session」とか「Tonight Live Performance」などの看板も見かけます。地元のミュージシャンや音楽に心得のある旅人がライブ演奏できたりするスペースもあり、音楽好きな人にとっても魅力的なエリアだと思います。残念ながら時間がなくて夜のライブショーなどは見ることができなかったのですが、誰でも気楽にセッションが楽しめるスポットがありますので紹介したいと思います。
Gali Musical Shop
対岸地区の道がL字に分かれるあたり。
▲入り口はこんな感じ。
店名は「Djembe Shop」ということでもともとはジャンべなどの楽器を販売するお店っぽいですが、世界中の旅行者に解放された気楽な音楽セッションスポットとも言えます。
楽し気な音楽が聞こえたので僕らも入ってみました。
部屋の中には様々な楽器があって、販売してるものもありますが、自由に演奏できたりします。
楽器を持参してセッションに加わっても良し、お店の楽器を借りて遊んでも良し、音楽に合わせて踊っても良し。とても自由な空気が漂っておりました。
僕らもギターや踊りなどで参加し、自由なセッションを楽しみました。動画でその時の様子をどうぞ!
ここのお店を主宰するガーリー(Gali)さんは地元でも有名なミュージシャンで、自身のアルバムやミュージックビデオなんかも制作しています。
彼のオリジナルソングその名も「Hampi Song」はハンピのプロモーションビデオとも言うべき作品。彼のハンピ愛が伝わってきます。
楽器に心得のある人はもちろん、世界の旅人と音楽を通して触れ合いたい人はめちゃくちゃおススメしたい場所です。
今回のケセラセラ
奇岩がゴロゴロした、まるで別の惑星に来たような不思議な感覚が味わえるハンピ。
そこは世界の旅人が集まる平和な空気、そして音楽に満ちた場所でした。
何もせずのんびりしても良し、遺跡探訪しても良し、音楽セッションに明け暮れても良し。見どころもたくさんあって一言では魅力を語り切れません。
インド南部を訪れる機会があれば、ハンピに是非とも足を運んでみてください!
ケセラセラに楽しい旅を♪♪
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