インド流自然療法の総合施設、プネーのナチュロパシー国立研究所に行ってみた

妻の持病のリウマチをアーユルヴェーダでなんとかしたいとインドへの旅を計画。
そして出発直前にナチュロパシーすなわちインドの自然療法があることを知り、まずはそちらを体験してみようということに。
旅行者も利用しやすいと言われるプネーの「ナチュロパシー国立研究所(National Institute of Naturopathy:通称NIN)」に行ってみることにしました。

前回の記事はこちら↓

リウマチをなんとかしたい妻。インドでアーユルヴェーダとナチュロパシーに出会う旅

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ナチュロパシー国立研究所(通称NIN)のあるプネー、駅周辺のおすすめ宿

プネーはムンバイからバスで4時間ほど、少し内陸に入った場所にある大きな都市です。

2010年の都市的地域の人口は493万人であり、世界第60位、同国では第8位である[1]。海抜600メートルの高原にあるため、大都市の富裕層の避暑地として発達した。金融と経済の中心であるムンバイの南170kmに位置し、インド国内の各主要都市と空路・鉄道・陸路で結ばれている。 町の40% が緑に覆われ、インドでもっとも緑の多い街の一つであり、インドで最も安全な都市とも言われている。

Wikipedia “プネー”より

緑の多い学園都市みたいなイメージでプネーにやってきましたが、駅前の道路は半端ない交通量、道路も歩道も人と車でゴッチャゴチャ。
・・・印象としては他のインドの町と似たような雰囲気。まあインドはインドですからね。

NINは駅の北側、駅からは徒歩5分ちょっとです。
今回は駅の南側すぐの場所にあるNational Hotelという老舗の宿を拠点にしました。ダブルルームで1泊1000~1200ルピーくらいです。僕らは離れのコテージみたいなところに宿泊しましたが、駅前の喧騒が嘘のように静かで木々も生い茂っていてなかなか快適に過ごすことができました。Wifiもバッチリです。

インド プネー ナチュロパシー国立研究所

▲左が部屋の外観、右がそこから見た中庭。値段相応の部屋だけど周りは静かで環境もよい。猫もいて癒された♪♪

周辺には他にもたくさんホテルやロッジと言われるゲストハウスがあるけど値段が高かったり外国人お断りのところが多くて、駅周辺であれば結局このNational Hotelが一番適当かも。
参考 tripadvisor “National Hotel”

駅の南側から北へ移動するのに最初は駅を迂回した道を歩いて行ったのですが、なにしろ道路はどこも交通量が多く、信号なんてないから道路を渡るだけで結構なストレスを感じます。
なので駅構内を渡って線路を突っ切るように北側に抜けると道路をそれほど渡らずに済みます。
こんな感じで妻は1週間ほどNINに通院するため駅の南北を行ったり来たりしてました。

プネーのナチュロパシー国立研究所に初めて行ってみる

プネーに到着して、翌日さっそくナチュロパシー研究所に足を運んでみました。
駅の北口から歩いて5分くらい。

インド プネー ナチュロパシー国立研究所

▲入り口はこんな感じ。

インド プネー ナチュロパシー国立研究所

▲「断食が命を救う」って書いてある。ナチュロパシーの基本概念となることかも。

ナチュロパシー国立研究所、施設の由来

インド政府にはAYUSH省という機関があります。
Ayurveda、Yoga、Unani、Siddha、Homoeopathyの頭文字。アーユルヴェーダ、ヨガ、ユナニ医学(インド・パキスタンで行われる伝統医学)、シッダ医学(南インド・タミル州特有の伝統医学)、ホメオパシーの教育・研究、促進するための政府機関ですが、このナチュロパシー国立研究所もAYUSH省管轄の自治組織です。
1944年にマハトマ・ガンディーさんがこの場所に滞在し、ナチュロパシー研究の礎が築かれました。
ガンディーさんはインドの父とも呼ばれるお方ですが、インドのナチュロパシーの父と言ってもいいかもしれませんね。施設内にはガンディーさんの肖像画をいたるところで見かけました。

受付の窓口で登録を済ませる

敷地の中にある受付の窓口で最初に利用登録を行います。

インド プネー ナチュロパシー国立研究所

▲窓口で受付している時の様子。

インド プネー ナチュロパシー国立研究所

▲登録が済むとこのような黄色い紙を渡される。

窓口の係員に自身の症状と現在の状況をたどたどしい英語で説明します。
その結果、ドクターによる問診とナチュロパシーのトリートメント(施術)が必要との指示を受け、料金をその場で支払います。
金額は1週間(実質6日間)で1050ルピー+登録料20ルピー。
※金額は実際いくらだったかメモし忘れました(゚ー゚;「地球の歩き方」に載ってたのを参考にしてます。

ドクターによるカウンセリング

受付での登録が済んだらすぐにドクターの問診を受けることになりました。
日本の病院みたいに何時間も待ったりせず、受付後すぐに通されました。

さっそくドクターによる問診が始まります。
ここでも英語で自分の病気のことや現在の症状などを説明。
基本的にドクターの質問に対して返答する流れです。多少英語で会話できるレベルであればなんとかなるかと思います。

インド プネー ナチュロパシー国立研究所

▲普段着だけどちゃんとしたナチュロパシーのお医者さん。丁寧に問診してくれた。

妻はリウマチを発症して数年、日本の病院で処方された抗リウマチ薬を飲み続け、痛みは収まるけど症状は改善せず。インド渡航前にその薬をやめて、インドにやってきて2週間ほど経つけど今の所痛みは出ていない。
そんな感じで自身の状況を説明しました。

そして妻の現在の症状に応じた診断をしてくれ、日々の生活の仕方や食べ物について記載された紙を渡されました。

インド プネー ナチュロパシー国立研究所

▲ナチュロパシーでは基本的にこの紙に書いてある通り生活すれば、自然の治癒力によってあらゆる病気が改善していくと考えられています。

英語でちょっとわかりづらいところもあるので、簡単に訳してみました。

毎日のルーティン、施術とダイエットの目録

  • 5:30 起床
    洗顔と口内洗浄。水(ウィートグラスジュース)を少し飲み、トイレでお通じを出す。
    瞑想をして一日の準備を整える。
  • 5:30~6:30
    散歩/ヨガ(太陽礼拝、アーサナ)/ガーデニング/水泳などを行った後にシャバアーサナに続いてプラナヤーマ、呼吸法を行う。
  • 6:45
    レモン水(レモン一つか半分、はちみつかヤシ砂糖大さじ1~2杯、水300ml)、ココナツジュース、トゥリファラウォーター、アムラウォーター、ゴーヤジュース、フェヌグリークウォーター、ハーブジュース、ハーブティーなどを一杯飲む
  • 7:15 セルフトリートメント(必要に応じて)
    断食期間中の場合、便秘の場合は浣腸
    おなかに冷たいタオルのパック(10~20分)/泥パック(20分)
    もしくは
    全身冷水浴の後に医師に処方された朝のトリートメントを行う。
  • 9:00までに朝食
    季節のフルーツ/スプラウト/サラダ/バターミルク1杯/スープ/フルーツ・野菜ジュースなど
  • 13:00までに昼食
    調理してないローサラダ100~200g(きゅうり、にんじん、ラディッシュ、ビーツ、トマト、コリアンダー、ほうれん草、ペパーミント、キャベツなど)
    季節の野菜300g(パパイヤ、りんご、スイートレモン、オレンジ、グァバ、パイナップル、マンゴー、ぶどうなど)
    野菜チャツネ大さじ2~4杯、スプラウト100g、野菜スープかバターミルク200~300ml
    もしくは
    調理した野菜(温野菜)300~400g
    スプラウト/茹でたパルス(豆類の種子)半カップ~1カップ
    ベサン粉(ひよこ豆の粉)でできたロティ1~2枚、ブルガー小麦(クスクスみたいな小粒状の食品)1~2カップ
    玄米ご飯1~2カップ、野菜チャツネ、野菜スープかバターミルク200~300ml
    (うちの妻は後者の方)
  • 16:30 ヨガ
    必要と感じたらウィートグラスジュース1杯/ココナツジュース/バターミルク1杯/大麦湯か水のみのいずれかを飲む。
    お通じを出す。
  • 17:00~19:00
    冷水浴の後、医師に処方されたトリートメントを行う。
  • 19:00までに夕食
    サラダ、温野菜か調理した野菜300~400g、ロティ1~2枚、野菜チャツネ、バターミルクか野菜スープ

食べ物のところとか聞きなれない言葉もあるけど、インドではどれも簡単に手に入るものばかり。
薬の類は一切使わず身近にある食べ物で食べ方と量、そして規則正しい生活を心がけることがナチュロパシーの何より大事な部分です。
まさに自己治癒力に委ねた自然療法と言えますね。

裏面には禁忌事項やその他注意すること、そしてトリートメントのメニューなども記載されてます。

インド プネー ナチュロパシー国立研究所

禁忌事項

  • コーヒー、紅茶、喫煙、噛みタバコの類、アルコール、ソーダなど
  • ノン・ベジタリアンフード、卵
  • 冷凍食品、加工食品、ファーストフード、保存食、精製食品、着色された食品、フレーバーのある食品、防臭加工食品、炭酸飲料
  • 精白小麦粉、白砂糖など
  • Saturated FAT(脂肪酸に関すること)、Hydrogenated Oil(硬化油に関すること)
  • 過食や不規則な商事
  • 遅い時間の昼食、夕食、就寝
  • 脂っこい食べ物、フライされた食べ物
  • ストレス、怒り、心配、焦り、憂鬱になること、不安になること
  • 大気汚染、騒音
  • あらゆる不自然な心身の習慣(爪を噛んだり枝毛を抜いたり体を傷つけたり、否定的に物事を考えたり疑念を抱いたりなど「人が持つ悪い癖」くらいな意味でしょうか)をやめる
  • 食事の直前・直後に水を飲むこと

以下の消費を減らす
塩分、甘いもの、香辛料・スパイス、豆類

以下を心掛ける

  • 自然食を規則正しく食べる(できれば1日2度の食事)
  • よく噛んで落ち着いてゆっくり食べる
  • 水を飲む
  • エクササイズの練習(ヨガとか?)
  • 1週間に一日の断食(季節の果物、野菜ジュース4~6杯のみ、もしくは水だけ)
  • ヨガニードラ(シャバアーサナなどリラックスするヨガ)や瞑想を1日2回
  • できる限り太陽の光と新鮮な外の空気に触れる

トリートメント(施術)

  • ヒップ・バス(尻浴)
    冷水か常温水で10~20分 バスタブに15cmほどのお水 濡れタオルでおなかを右回りにさする、足と手は濡らさない
  • スピナル・バス(背中浴)
    冷水か常温水で10~20分 バスタブに5㎝ほどの水 額にウェットパックをしながら横たわる 足と手は濡らさない
  • 足の温浴 胸と頭にウェットパックをしながら 10~20分
  • 蒸気吸引 胸と頭にウェットパックをしながら 10~20分
  • 温湿布10分 + 冷たいウェットパック10分/泥パック20分
  • 冷水か常温水か温かいウェットパックを20~30分

この紙っぺらの両面に書いてあることがとにかくナチュロパシーの根幹にあたる事柄。
あとは医師の判断で項目を削ったり追加したり、患者の状態に合わせてメニューを考えてくれます。

これらを見てもわかるように、ナチュロパシーでは食生活とライフスタイルの改善が大部分を占め、トリートメントはあくまで効果を促進するための補助的なものと考えた方が良いかもしれません。
よくあるスパとかエステとかは外的なトリートメントがメインなのかもしれませんが、結局体の中の根本からデトックスしていかないと意味がないということです。

インド プネー ナチュロパシー国立研究所

▲妻が撮影してきたトリートメントの様子。体を温めるだけじゃなくていきなり冷たい泥をおなかに乗せられたりしてビビった(by 妻)。自律神経を活発化させるのに役立つらしい。日本にも温冷交代浴というのがありますね。

施設内のレストランは健康ベジ志向

NINの施設内にレストランが併設されており、月曜から土曜の朝8時~夜8時までオープン。別名「ダイエットセンター(Diet Center)」
施設利用者の他、一般の人も自由に食事することができます。
メニューはナチュロパシーの考え方に基づいたとってもヘルシーな食事ばかりで、料金もそれぞれかなり良心的な価格。
日本で肉料理とかラーメンとかお酒が日常な人は、かなり物足りなく感じるかもしれません。しかしインドでナチュロパシーを受けている間は体が徐々に少食に慣れてきて、こういう食事が本当にありがたく美味しく感じるのが不思議です。

朝ごはんの写真をちょっと紹介。

インド プネー ナチュロパシー国立研究所

▲ポハという料理。インドでは朝ごはんによく食べられるそう。お米を平たくしたライスフレーク。左のはココナッツチャツネ。

インド プネー ナチュロパシー国立研究所

▲ダリアとココナツチャツネ。ダリアはアフリカ料理のクスクスなどに使われるブルガー小麦をスパイスで煮込んだ料理。

インド プネー ナチュロパシー国立研究所

▲ウィートグラスジュース。小麦若葉の青汁。様々な栄養成分が含まれていてきわめてデトックス効果の高いドリンクと言われてる。

他にもいろいろメニューがありました。お昼にはもう少しボリュームのあるベジターリーなどが食べられます。

インド プネー ナチュロパシー国立研究所

▲ナチュロパシーに基づいたお昼のターリー。断食期間中は結構これでおなか一杯になる。

敷地内にはナチュロパシーに必要な設備が充実

NINの敷地内にはヨガスタジオやジム、図書館、オーガニックショップなどもあり、ナチュロパシーに必要なものが一通りそろってます。

ヨガ教室

朝6時~10時まで 夜5時~9時まで それぞれ1時間のクラス
月額300ルピーで好きなだけ受けられます。

図書館

月曜~土曜 朝11時~夜6時まで
ナチュロパシーやヨガ、そのほか健康に関する書籍が9000冊も置いてあり、自由に閲覧可能。
本を借りる場合は会費を払う必要があり、その他最初にデポジットを支払う必要があるみたいです。

ヘルスショップ

朝8時~夜8時まで
オーガニックフードやハーブティー、はちみつ、ハーブオイル、泥パックなどが販売されています。
またナチュロパシーの施術で使わるヒップバスやスピナルバスのバスタブ、ネティポット(塩水を鼻に流す時に使う道具)、ヨガやナチュロパシーについての書籍なども置いてあります。

インド プネー ナチュロパシー国立研究所

▲毎朝飲むようにドクターに指示された「ウィートグラスジュース」のパウダーもここで買えた。(これが意外と外の薬局ではあまり売ってない)

泊まり込みでじっくり治したい場合は郊外のNisargopchar Ashramがおすすめ

今回訪れたプネーのナチュロパシー国立研究所はプネージャンクション駅のすぐそばにあり、周辺の喧騒が激しく環境的にはイマイチな面があります。それに入院ではなく通院しながらの治療となるためよほど意志の強い人じゃないと生活スタイルや食事など完全にナチュロパシーに沿ったものにすることができないんじゃないかと思います。(うちの妻も守れてない部分が結構ありました。)

もし泊まり込みでしっかりとナチュロパシーを実践したいという場合はプネーの東30㎞ほどのところにあるUruli Kanchan(ウルリ・カンチャン)のNisargopchar Ashramがおススメです。

ニサルゴプチャル・アシュラム(Nisargopchar Ashram)

インドが英国から独立する前マハトマ・ガンディーさんがプネー駅前にNINの基礎を築いた時、都会から離れた田舎にもこのような施設が必要だと、プネー中心部から少し離れたこの場所に新たな施設を築いたのが同アシュラムの起源。
ガンディーさんはインドがしっかり独立するためには地方や農村を改善していかないといけないと、あえてこの場所に作ったようなのです。本当に偉大すぎます、ガンディーさん。

この施設もNINと同じくナチュロパシーに基づいた治療が行われるのですが、泊まり込みで滞在しながらの治療となるため、その効果もかなり期待できます。(最大で200人ほどの患者を収容できるようです。)
初回登録料が100ルピー、ドクターのカウンセリングが250ルピー、宿泊滞在費が一泊100ルピーから1800ルピーくらい(様々なタイプの部屋があるようです。)など、どれも良心的な価格だと思います。

WEBサイトはNINのサイトよりしっかりしており、料金表が明確で写真ギャラリーも充実してます。

NisargopcharAshram
ニサルゴプチャル・アシュラム(Nisargopchar Ashram)WEBサイトへ

1週間ほど時間がある人は、こちらの施設でじっくり滞在しながら治療を受けてみてはいかがでしょうか。

今回のケセラセラ

病気になるのには原因があって、それは日常の食習慣が大きく影響してると思います。
日本にいて普通に生活してるとついついおなか一杯食べちゃったり、脂っこいものや甘いものを食べ過ぎたりしてしまうもの。それが積み重なって毒となる。
ナチュロパシーではまず食習慣から改善し、ダイエットをしていくことで悪いものを排出し、体の不調を改善させていくという考えが大きな柱となっています。
今回、リウマチの妻がプネーのナチュロパシー国立研究所に1週間ほど通いましたが、今までの食習慣と生活スタイルを見直すきっかけとなり、症状が改善していきました。

ぶっちゃけ日本でしっかりナチュロパシー的な生活を送れば、わざわざインドに来なくても自分でなんとかなるんじゃないかとも思いますが・・・。
ま、きっかけが大事ということで!

とにかく体を作るのは食事。食事がムチャクチャだと体もムチャクチャになると、すごくシンプルな方程式に改めて気づかされたプネー滞在となりました。

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