無料で見られる春の花相撲。靖国神社での奉納大相撲を見てきました
この前の月曜日に東京の靖国神社で開催された「奉納大相撲」を見に行ってきました。
優先的に場内に入れる招待券を頂き、なんと正面のど真ん中最前列というこれ以上ないほどの位置に座ることができました。
本場所では見られないような光景もあり、とても楽しめた一日でした。
その様子をレポートしたいと思います。
招待券を頂いた事の発端
地元(大磯)で仲良くさせてもらっているNさんから電話を頂き「相撲見に行かないか?」と誘われたのが事の発端。
え?相撲?場所中じゃないし、どこかの巡業かな?
と思ったのですが、場所はあの靖国神社。年に一度開催される「奉納大相撲」というイベントでした。
Nさんが東京の知り合いから招待券をもらい、そのおこぼれに預かったという形です。
靖国神社自体、僕はまだ行ったことがなかったので、それも興味あり。
当日はNさんともう一人地元の知り合いのTさんも一緒。二人とも酒飲みのおじさま。どうなることやら。
招待券は持っていたけど早めに来て並んだワケ
本場所以外に開催される臨時の興行は「花相撲」と呼ばれますが、今回の靖国神社の奉納相撲もその一つ。
靖国での奉納相撲は実は相撲ファンには結構有名で、入場無料で誰でも間近で大相撲が楽しめるというイベント。
その歴史はとても古く、なんと明治2年からほぼ毎年開催されているらしい。
本場所でも活躍する序二段力士から幕内、横綱まで総勢200名もの力士が取組を行い、初っ切りや相撲甚句も楽しめるとあって、この日を狙って見に来る相撲ファンも多いようです。
靖国神社内にある相撲会場は6000人ほど収容できるようですが、毎回満員になるとのこと。
そりゃタダで見られるんなら好きな人は行かない手はないでしょう。
少しでも良い席を確保しようと朝早くから並ぶのも通例だとか。
当日の開場時間は朝8時半
僕らは招待券を持っていたので優先的に入れるのですが、それでも1時間はやく朝7時半に行って並ぶことにしました。
土俵正面の一帯が招待者の席になるのですが、この中でも良いポジションは早い者勝ちとなるため、少しでも早く行って並んでおいた方が良いと招待券を頂いた方からのアドバイスを受けていました。
2017年の4/17(月)。当日の朝7時半に靖国神社に入りました。初めての靖国。ゆっくり参拝もしたいところでしたが、早く行って並ばないといけません。
▲始めて来た靖国神社。参拝する暇がなかった!
会場入口付近にはすでに長蛇の列ができておりました。
去年も行ったNさんによると、最前列の人は昨晩から並ぶ気合の入れようらしいです。筋金入りの相撲ファンばかりです。
▲開場1時間前でこの長蛇の列!
結局のところ、並ばなくても良かった?
8時半になって開場されましたが、招待券を持っている人は別の受付が用意されているらしく、そこから優先的に入れるようになってました。
なので、早く来て並ばなくても8時半にこの招待者受付に行けば問題なさそうな感じでした。
▲招待者の受付場所。最初からここにきていれば並ぶ必要もなかった?
何はともあれ、招待席の中でも僕らがほぼ一番乗りだったようで、土俵正面のど真ん中、最前列というすばらしいポジションをゲットすることができました。
座席は椅子などなくブルーシートが敷かれていてそこに好きなように座るかたちでした。
Nさんは座布団をちゃんと持ってきていて、Tさんは駅の売店からフリーペーパーを適当にたくさんもらってきてそれを敷いてました。
長時間地べたに座ることになるので足腰に問題がある人は結構大変かも。
▲相撲会場の様子。右側のブルーシートが招待者用の正面席。
なお、東西の客席は階段のようになっているためそこに腰掛けることができます。
その位置でも結構土俵から近いので、足腰心配な人は階段席を狙うといいかもしれませんね。
神聖な場所での相撲。お酒はOKなの?
去年も見に行ったNさんによると、昨年はもっと厳粛な雰囲気でお酒もNGな感じだったらしいのですが、今回行ったら皆さんビールやらワインやら持ち込んで好き好き楽しんでました。
ちゃんこやビールなどを売る露店も出ており、本場所同様お酒はまったく問題ない雰囲気でした。
そうと分かれば酒好きのおじさま二人は黙ってません。
人垣をかき分けて露店までビールを買いに行くこと数回。僕は普段それほど飲まないのですが、調子に乗って2杯ほど頂いちゃいました。
▲向正面の方に飲食の売店あり。生ビールも普通に販売しており、カップが持ちきれない場合は係員が運ぶのを手伝ってくれる。
靖国神社奉納大相撲、当日の流れ
9時 土俵祭
土俵祭とは立行司が祭主となり、祝詞を奉上し、供物を捧げて場所中の安全と興行の成功、さらには国家の安泰、五穀豊穣を祈念するものです。
土俵の中央に穴を開け、塩、昆布、するめ、勝栗、洗米、かやの実などの縁起物が沈められます。
▲日本相撲協会WEBサイトより
力士が土俵に上がる前の厳粛な行事ですね。
9時半~10時半 力士たちによる公開申し合い稽古
土俵祭りが一通り終わると、わらわらと力士たちが東西から登場して土俵で申し合い稽古が始まります。
以前に国技館の別のイベントで遠くから眺めたことがあるのですが、間近で見るのは初めて。
本当に目の前で見る巨体力士の姿はとにかく大迫力。でっかい力士たちのお尻が目の前にずらーっと並ぶので、いささか目のやり場に困りましたが 笑
申し合い稽古は力士が土俵上で一対一でぶつかり合い、勝った方に申し合いを行い、指名された力士が次の相手となります。
勝ち続けるとベロベロにへばってきますが、それがいい稽古になるのでしょう。力士たちの厳しい勝負の世界を垣間見ることができました。
▲何番も続けてボロボロになるまで稽古に挑む力士もあり。上位に上がるためにはひたすらこの積み重ね。
10:40~ 取組開始
序二段力士から幕下まで次々と取組が行われます。
▲開場前に配られた取組表。
序二段、三段目の力士は体の作りこみがまだまだだったりして、幕内相撲に慣れた目で見ると迫力不足が否めません。ケガしないようにあえて力を抜いている感じもしました。将来この中から関取が生まれるのかなー。
また、力士だけでなく行司や呼び出しさんも下っ端で、中学卒業したての若い行司さんもいて、その様子がほほえましかったです。
お昼頃 相撲甚句、初切(しょっきり)
十両力士の取組の前に相撲甚句と初切が行われます。
相撲甚句(すもうじんく)とは邦楽の一種。大相撲の巡業などで披露される七五調の囃子歌である。
土俵上で力士5~7人が輪になって立つ。輪の中央に1人が出て独唱する。周囲の力士たちは手拍子とどすこい、ほい、あ~どすこいどすこいといったような合いの手を入れる。
まじめな内容からおふざけ満載の甚句まで。5人の力士たちがかわるがわるマイクを持って歌を披露してくれました。個人的には、合いの手を入れる独特なリズム感に興味津々でした。
初切、初っ切り(しょきり、しょっきり)とは相撲の禁じ手を面白おかしく紹介する見世物。相撲の取組の前に決まり手四十八手や禁じ手を紹介するために江戸時代から行われていたが、現在では大相撲の花相撲や巡業などで見ることができる。
いやーこれはもう土俵上のコントですね。
スリッパやハリセンでバシーッと頭はたいたりして、ボケとツッコミの世界です。
笑い声が絶えない楽しい時間でした。
櫓太鼓打ち分
寄せ太鼓、一番太鼓、はね太鼓など、古い時代の伝統的な叩き方や現代の場所中にも叩かれる方法など、いろいろ叩き分けて聞かせてくれました。
一番太鼓っていうのは夜中の2時とか3時とかに叩かれていたとのこと!今だったら騒音で通報されちゃいます><
13:10~ 協会役員・横綱・幕内力士参拝
これは土俵ではなく靖国神社への奉納として役員や力士たちが参拝する行事。
この時間帯に神社の方に行くと勢ぞろいした幕内力士たちを間近で見られるはず。
いよいよ関取の登場。十両土俵入り
待ってましたの関取登場です。
元関脇の安美錦や外国力士の大砂嵐や臥牙丸などはひときわ声援が大きかったですね。また頑張って幕内に戻ってもらえたらファンも喜ぶことでしょう。
十両土俵入りの後、取組開始。ちゃんと審判も東西に座り、仕切りの持ち時間も長くなって本格度が増してきました。
十両以上の取組はやはり迫力が違いました。
14:00~ 中入。幕内力士の土俵入り、圧巻の横綱土俵入り
いよいよ幕内力士の土俵入り。
これが見たくて朝からこの場所にいたわけです。ずーっと同じ場所に座っていたので足腰がかなり痛かったですw
幕内力士はテレビとかで見る有名力士ばかり。赤ちゃんを抱いている力士がいたのも印象深いですね。花相撲ならではの光景。
そして横綱の土俵入り。
白鵬、日馬富士、鶴竜がそれぞれ圧巻の土俵入りを披露してくれました。目の前の間近の位置で見られたのでかなり鳥肌モノでした。
横綱に昇進して先場所奇跡の優勝を果たした稀勢の里はやはり怪我の療養のため休場。それが唯一残念でした。
▲白鵬が土俵に入るところ。
▲日馬富士の土俵入り。空気感がすごい。
続いて幕内力士の取組が次々行われます。
本場所ではありえないことが一つ起こりました。
出場予定だった逸ノ城が休場してしまい、その代わりに人気力士の宇良が二度登場するという事態に。宇良のファンの人はたまらないでしょうね~
▲一回目の宇良(ピンクのまわし)の出番。大翔丸との一番。
▲二回目の宇良の出番。ブルガリア出身の蒼山との一番。ご苦労様です。
終盤、是より三役
いはやは、これを間近で見ることができるとは。感激しました。
先場所盛り上げてくれた照ノ富士や横綱どうしのぶつかり合いは、ちょっと次元を超えた迫力ですね。花相撲とは言え、結構本気でぶつかってました。
まあ横綱が手を抜いたらすべてが台無しですからね。威厳と品格、そして力強さ、すべてが揃った偉大な存在です。
▲取組前、東の両横綱。
▲白鵬vs鶴竜。横綱同士の対決。
全ての取組が終了して弓取式 。そして打ち出し(一日の興業の終了)。終わった時は15:00すぎ。朝から長い一日でしたが楽しめました。
今回のケセラセラ
生で大相撲見るのは久しぶりでしたが、やっぱり臨場感とか迫力が違いますね。
靖国での奉納大相撲は毎年無料で観覧できるので、招待券頂かなくてもまた見に行きたいなーと思いました。
終わってから市ヶ谷駅まで歩いて3時すぎからやっている飲み屋に入っておじさま二人(70歳代!)と再び相撲談義。
ま、好きなことに年齢は関係ないですね。
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