【インド】グジャラート州カッチ地方の塩砂漠→ニローナ村でローガンアート見学

インド・グジャラートの白い砂漠

空と地平線の境目がわからないほど見渡す限りの白い世界。
まるでどこか違う惑星に来たような一面の塩の平原。
・・・こんなキャッチコピーが似合うバックパッカーの憧れの地といえば南米ボリビアにある「ウユニ塩湖」が有名です。
しかしインドにもウユニに負けず劣らずの絶景を見せてくれる場所があります。
それがグジャラート州にあるカッチ砂漠。またの名をホワイト・ラン、塩の砂漠とも呼ばれています。

今回(2018年3月)のインド旅の最後を飾る絶景スポットとして塩の砂漠を訪れることにしました。
グジャラート州の伝統工芸などを見学できる村も点在し、また一つ「知られざるインドの横顔」を見ることができました!

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カッチ砂漠への拠点となる町、ブージへの行き方

グジャラート州の主要都市アーメダバードから頻繁にバスや鉄道が出ていますが、ムンバイやラジャスターンのジャイプールなどからもバスがあります。

ネットで検索してもルートが出てこない場合がありますが、ローカルを結ぶバス網があったりします。滞在している町の旅行代理店などに聞いてみると糸口が見つかるかもしれません。

僕らは今回ウダイプルという町からブージまで行こうとしましたが、ネットで調べるとアーメダバードを経由する路線しかありませんでした。
しかしウダイプルの旅行代理店で調べてもらったところブージまでストレートに行くバスがあるとのことで、それを利用しました。

ブージの町歩き

早朝にブージ郊外に到着。長距離バスの終着駅は町の中心部から少し離れたところだったので、オートリキシャーで町へ移動しました。

早朝ブージの町に到着

▲早朝ブージの町に到着し、リキシャーで移動。

ブージのオススメ宿「シティ・ゲストハウス」

ブージに来たバックパッカーはみんなここに泊まるという定番宿。
宿の女主人がいろいろと旅の相談に乗ってくれます。
塩の砂漠や周辺の村々へのツアーなど

シティ・ゲストハウスのダブルルーム

▲シティ・ゲストハウスのダブルルーム。シンプルだけど整っている。

シティ・ゲストハウス
シャワー・トイレ付き、ダブルルーム(ノンエアコン)500ルピー

というわけで、シティ・ゲストハウスを拠点にブージの町を歩いてみました。
3月は乾季から雨季へと変わる境目の暑い季節。日中の気温は40度を超え、歩いているだけで汗が吹き出してきます。
でも乾燥しているせいか日本の夏よりは蒸し蒸し感はなかったです。

街角の牛

▲街角の牛。

カンマルという名のグジャラート料理

▲カンマルという名のグジャラート料理。蒸しパンのような食感だけど味は冷やし中華。

カッチ 塩の砂漠へ

周辺の村へは自力で路線バスなどを利用して行くこともできるみたいですが、塩の砂漠へは車をチャーターして行かないと行けないっぽい。
しかしブージの旅行代理店はどこもバスや列車の手配などはするものの肝心の塩の砂漠へのツアーなどは扱っていない様子。なぜなんだー!塩の砂漠が最大の見所じゃないのか??
結局いくつかの代理店を回ったけどツアーがなかったのでシティ・ゲストハウスに戻って女将さんに相談することにしました。

オートリキシャーのチャーター

結局ゲストハウスの女将さんがすぐに手配をしてくれて、英語のしゃべれるオートリキシャーのドライバーがやってきました。
そこで、どこに行って何をしたいかなど、おおまかに説明。

  • とにかく塩の砂漠を見たい!
  • 周辺の村々を訪れたい!
  • ローガンアートが見たい!

これら3つの要望を出しました。

  • オートリキシャ1日チャーター
  • 行き先のアレンジ
  • 英語のガイド

これらがついて二人で2600ルピー
結構高いなーと思いつつ、他に選択肢がなかったので決めることにしました。
出発は翌朝9時!

いざ塩の砂漠へ

塩砂漠へ向かうと食事する場所がないという話だったので、朝近くの市場に行って果物やパン、スナック菓子など軽食を買っておきました。

商店でお菓子などを購入

▲ゲストハウスの近くにある商店でお菓子などを購入。ここのご主人がとっても陽気♪♪

9時にリキシャのドライバ(イムランさん)が時間通りに到着。
英語もちゃんと喋るし、要所要所でガイドもしてくれたり、しっかりと仕事はしてくれました。
途中で寄り道したり、最後にはやっぱりチップを要求されたりと「お約束」はありましたが、概ね満足のいくドライバー兼ガイドさんでした。

オートリキシャードライバー

▲オートリキシャードライバーのイムランさん。このリキシャで塩の砂漠を目指します。

ブージの町を出るとすぐに荒涼とした大地が広がり、一本道と地平線だけの世界となります。

オートリキシャのスピードは速くても時速50〜60Km。車やトラックに追い抜かれまくり、サスペンションもきいてないため揺れまくり、そして風ももろに浴びまくり。後部座席に乗ってるだけでも結構疲れました。
快適に早く行きたい場合はタクシーなど車をチャーターするのがいいかもしれませんね。

町から出るとすぐにこのような風景

▲町から出るとすぐにこのような風景に。

しかし風を感じつつ景色をゆっくり楽しみながら進むので、そういうのが好きな人にはオススメです。
ドライバーさんは途中で気になったところがあればすぐに止まってくれるのもうれしかったです。
ただ先を急ぐのではなく、融通を利かせながら道中を楽しむという意味ではオートリキシャーは正解だったかもしれません。

野生のラクダ

▲野生のラクダ発見!

ツーリング中の人たち

▲ロードバイクでツーリング中の人たちを結構見かけた。

牛の群れ

▲道路を埋め尽くすように歩く牛の群れ。何度も遭遇した。

羊飼いの少年

▲羊飼いの少年。

ハニーハンターから直接蜂蜜を購入

▲野生の蜂蜜を採取するハニーハンターから直接蜂蜜を購入。1.5リットルのペットボトル一杯でなんと100ルピー(170円ほど)!まろやかで癖のない甘さでした。

少数民族ラヴァーリ族の男性

▲少数民族ラヴァーリ族の男性。よく羊を連れて歩いてるのを見かけたけど、バイクで颯爽と走る姿も渋かっこいい。

塩砂漠に入る手前でチェックポイントがあります。

チェックポイント

▲制限エリア入域の際のチェックポイント。

ここから先は外国人の入域が制限されているエリアとなり、入るにはパスポートやビザのチェックを受ける必要があります。
パスポートのコピーが必要との情報もありましたが、ドライバーいわく、それは別に必要ないとのこと。
チェックポイントでは係官と談笑しながら難なくチェックも終了。無事に入域できました。

ブージの町を出て、約2時間半。その距離およそ90km。
お昼前にようやく塩の砂漠に到着しました!

塩の砂漠

▲塩の砂漠に近づき、周りの景色が白一色に!

ついに塩の砂漠、ホワイトデザートに到着。
道の終点に4階建くらいの展望台が設置されており、そこから先は白の世界!
展望台は自由に上り下りできます。
まずはここに上って塩砂漠の大パノラマを楽しみました。

塩の砂漠

▲展望台から見る塩の砂漠。

続いていよいよ塩の砂漠に足を踏み入れます。

塩の砂漠

▲見渡す限りの白い世界・・・。

塩の砂漠

▲塩の上で三点倒立。

塩の砂漠

▲お約束の遠近法をやろうとしたけど、ちょっと失敗。

失敗したなーと思ったのはサングラスを忘れたこと。
カンカン照りの太陽と真っ白な景色は目をやられます。
まともに目を開いてられずにずーっとしかめっ面をしていなくてはならず、顔面がひきつりそうになりました。

塩の砂漠

▲ラクダの遊覧ツアーもあるけど、ちょっとお高いので断念。

散々写真などを撮りまくって、持って来た軽食を食べたりして再び出発。
塩の砂漠を後にして周辺の村を訪れます。

カッチ地方の村を巡る

カッチ地方にはいくつかの少数民族がそれぞれの集落で暮らしています。
伝統的な民芸品や手工芸品などの製作が主な産業となっていますが、そのデザインや独自性が際立ち、国内外を問わず多くの人を魅了しているのだとか。

それらの村を隈無く回るのは不可能なので、ドライバーさんのオススメスポットを適当に見繕って巡ってもらうことにしましたw

一家の子供達

▲途中で立ち寄った木炭作りを生業としている一家の子供達。真っ黒になりながらたくましく生きてます。

民族や村の名称をメモってなかったのですが、いくつか特徴的な集落を訪問。
どうやらタクシードライバーやガイドが観光客を連れて行くお決まりのスポットのようです。

村の家の扉

▲最初に訪れた村の家の扉。

村の家

▲部屋の中に案内されていろいろと民芸品を見せてもらいました。

若干買い物を強要された節がありますが、ほしいものがなければスルーしても全然問題ないです。
インド国内でも場所によっては押し売りまがいの商品売りつけに遭遇したりもしますが、カッチの人々はとても穏やかで慎ましい人たちが多いように思いました。

別の村にも案内されましたが・・・

カッチ周辺の村

▲たくさんの村人に歓迎された。

ここでも商品を売りつけられるのかなと思いきや、そんなことはありませんでした。
子供たちと一緒に写真を撮ったり、ゆったりとした時間を人々と共有するだけの、ある意味なんとも贅沢な時間でした。
よその人が訪れるのを純粋に心待ちにしている様子で、なんだか心もほっこりしてしまいます。

カッチ周辺の村

▲笑顔がまぶしい村人たち。写真撮られたがりっ子がたくさん♪♪

カッチ周辺の村

▲訪れた観光客を笑顔で迎えてくれる、穏やかな人たちでした。

以前にインドのある村を訪れた時に半端ないバクシーシ(お恵み)攻撃を受けたことがあり、ややトラウマとなってます。
なのでこういう村に連れてこられると構えてしまいますが、ここの人たちはとても穏やかで笑顔がすてきな人ばかりで安心しました。

伝統的な装飾技術、ローガンアートを生業とする一家

インド国内はもとより、世界でもここだけと言われるローガンアートを見学しに行きました。
ローガンアートと言っても最初はよく分からず、とりあえず珍しいものらしいから見に行こ!くらいの軽い気持ちでした。
しかし実際に間近でその技法を見ることができ、なるほどこれは他では真似できないオンリーワンの技術だなと感じました。

ローガンアートが生み出される場所はカッチ砂漠のニローナ村という小さい村。

ローガンアート

▲ローガンアート工房の入り口。

この場所で実際に製作や作品の展示が行われ、タイミングがあえば製作の様子をレクチャーしてもらえます。
団体客などでごった返す場合もあるとのことでしたが、この時はちょうどグッドタイミングで見学することができました。

ローガンアート

▲野菜から抽出した染料とカスターオイル(ひまし油)を配合した独自のインクを手のひらに取り、それを細い棒のようなものですくい取る。

ローガンアート

▲粘り気のあるインクを垂らすようにして線画を描いて行く。

ローガンアート

▲乾きいらないうちに左右対称に折り畳み、開くとシンメトリーの美しい絵が出来上がる。

デモンストレーション用なので簡単な花柄を描いてくれたけど、ちゃんとした作品はもっと緻密で繊細な模様が多いです。
作品を展示している部屋を見せてもらいましたが、どれも唯一無二といわんばかりのすばらしい作品ばかり。

ローガンアート

▲遠目で見ると精巧に作られた刺繍画のようにも見えるが、これもローガンペインティングで描かれた作品。

インドの代表的なアート作品としてアメリカなど各国の首脳をはじめ世界の著名人をも魅了する貴重な芸術です。

かつてローガンアートを生業とする職人が多くいたようですが、20世紀後半にその大半が亡くなり、今ではたった一家族だけによって受け継がれています。

ローガンアート

▲ローガン職人であり一族の一人でもあるカトリさん。地球の歩き方にこの人の写真が載っていたので、そのページを破って進呈しました。

世界中からインドの片田舎までわざわざ買いに来る人がいるほど、希少価値のある芸術作品とも言えます。
最近ではネットショッピング大手のアマゾンが目をつけて、一族の人たちがネット販売できるような仕組みを作っているそうです。

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180620/mcb1806200500009-n1.htm"]

ニローナ村の周辺では工芸品製作も盛んで、カウベルの工房などにも案内してもらいました。

カウベル職人

▲黙々とカウベルを作り続ける職人さんたち。

その他の見どころなどたくさんとのことですが、1日じゃ全然見尽くせない…
だけど塩の砂漠にも行けたしローガンアートも見ることができたし、何より村の人たちのすてきな笑顔が見れたので、それがとても良かった。

オートリキシャーをチャーターしてワンデイ・トリップ。
ぜひブージに訪れた際は利用してみてください。

LUIS’s TRAVEL VLOG(旅の動画)

インド グジャラート州カッチ地方の塩の砂漠へ行く