自分は何体質!?ココロとカラダを健康に保つのに役立つアーユルヴェーダ体質論

アーユルヴェーダの体質論

突然ですが僕は寒い冬が大の苦手です。冬は手足が冷えて肌も乾燥して体が縮こまって元気もなくなり風邪もひきやすくなりロクなことがない。
反対に暑い夏は大好き。夏は体全体に潤いを感じて気持ちも明るくなり活動的になります。
2月や3月に常夏の南国に逃避したくなるのはそのためです。ほんと日本の寒い冬は勘弁してほしい。できれば1年中夏であってほしい。

でも一方で冬が好きで夏が苦手っていう人もいますよね。
汗っかきで日本の夏は耐えられないという人。冬は割と薄着でも大丈夫だという人。

どうして人の体質ってそれぞれこうも違うんだろうって考えてたのですが、アーユルヴェーダを学ぶとその辺のことが分かってきます。
人はそれぞれ異なった体質を持って生まれ一生を過ごして行くのですが、アーユルヴェーダの体質論を把握していれば「なぜ自分は冬が苦手なのか」「なぜあの人はいつでも暑苦しいほど元気なのか」などがなんとなく見えてきておもしろいです。

そんなわけで今回はアーユルヴェーダの体質論について触れてみたいと思います。

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アーユルヴェーダってどんな意味?

アーユルヴェーダはアーユス(生命)+ヴェーダ(真理)という意味なのですが、その名の通り人間の生命について深く知ることを指します。
その人の性質がどんなものなのか、個性をとらえる知識と言ってもいいかもしれません。
僕自身インドに行くようになってアーユルヴェーダにも興味を持つようになり、深く知るにつれて日常生活や健康など様々な面で役に立つ知識だと感じるようになりました。

現代医学は病気になったら病院に行って治療 or 薬をもらうという、いわば対処療法なのに対し、アーユルヴェーダは病気が起きる前の未病の段階で養生し健康を維持して幸せに生きるための知識と言えます。

体の基礎となる3つのエネルギー(ドーシャ)のうちどれが強いかを知る

アーユルヴェーダにのっとって自分の「体質」を知れば、病気の対策にもなるし、健康に幸せに生きていく指標にもなります。

人が生きる上で必要な働きを担うエネルギーをアーユルヴェーダでは大きく分けて3つにわけて「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」に分類され、これらは総称して「ドーシャ」と呼ばれています。

ヴァータは軽くて動きがあって乾燥してる風のイメージ、ピッタは熱くて鋭くて強烈な火のイメージ、カパは重くて遅くて安定している水のイメージを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。

VATA PITTA KAPHA

ドーシャ エネルギーの役割 性質 作用
ヴァータ 風のエネルギー
運動エネルギー
軽、動、冷、速、乾燥 異化作用(運動、運搬、伝達)
ピッタ 火のエネルギー
変換エネルギー
熱、鋭、軽、液、微油 消化作用(代謝)
カパ 水のエネルギー
結合エネルギー
重、冷、遅、油、安定 同化作用(構造の維持、体力・免疫力)

これら3つのドーシャが強まったり弱まったりすることで体調の変化につながると考えられ、そのバランスも人それぞれです。

ヴァータのバランスが悪くなりがちの人はヴァータ体質、ピッタのバランスが悪くなりがちの人はピッタ体質、カパのバランスが悪くなりがちの人はカパ体質と大きく分類が可能ですが、どれが一つが大きく崩れるということはなく、その度合いも千差万別。人の数だけ「体質」が存在すると言ってもいいかもしれません。

しかしこれだけ見ても実際に自分がどの体質に当てはまるのか、いまいちピンと来ないかもしれません。
その場合は下記の「ドーシャの度合いチェック表」をやってみてください。
ヴァータ、ピッタ、カパそれぞれの度合いについてチェックできます。それぞれの合計点数をチェックしてみて、どれが一番高かったかでおおよその体質が分かるようになっています。

ちょっと長くて面倒かもですが、自分の体質を知ってアーユルヴェーダに役立てることができますので是非トライしてみてください!

ドーシャの度合いチェック表

ヴァータ度(5=当てはまる / 4〜2=どちらともいえない / 1=当てはまらない)
01 動作が素早く早口で、歩くのも人より速い 5 4 3 2 1
02 新しいことを覚えるのが早いが、忘れるのも早い 5 4 3 2 1
03 好奇心が強く何事にも興味を示すが長続きしない 5 4 3 2 1
04 体型は痩せている。また、もともと痩せ型である 5 4 3 2 1
05 手足の静脈が浮き出てよく見える 5 4 3 2 1
06 便秘しがちである 5 4 3 2 1
07 何か決めるときに、くよくよしがちで決まらない 5 4 3 2 1
08 おなかにガスがたまりやすく、おならが多い 5 4 3 2 1
09 元来冷え性で手足が冷たい。寒さを感じやすい 5 4 3 2 1
10 座っていても手足や体をいつも動かしている 5 4 3 2 1
11 関節がポキポキなることが多い 5 4 3 2 1
12 歯の大きさが不揃いで歯並びもよくない 5 4 3 2 1
13 特に冬は、肌がかさつきやすい 5 4 3 2 1
14 新しい環境にたやすくとけ込める 5 4 3 2 1
15 お金を儲けるのが早いが浪費するのも早い 5 4 3 2 1
合計:点 

 

ピッタ度(5=当てはまる / 4〜2=どちらともいえない / 1=当てはまらない)
01 自分を主張し頭脳的、知的でリーダーに向いている 5 4 3 2 1
02 汗っかきで夏が苦手である 5 4 3 2 1
03 大食感で、おなかがすくと機嫌が悪い 5 4 3 2 1
04 気が短いほうで、イライラしやすく怒りっぽい 5 4 3 2 1
05 話し方や行動に無駄がなく、雄弁家といわれる 5 4 3 2 1
06 若白髪、若ハゲやシワが若い頃から目立つ 5 4 3 2 1
07 胸焼けや口内炎がよく起こる 5 4 3 2 1
08 顔色や肌の色の赤みや黄色みが強い 5 4 3 2 1
09 大便が毎日2回以上あり、便は柔らかいことが多い 5 4 3 2 1
10 冷たい飲み物や食物を好む 5 4 3 2 1
11 知的で鋭い目つきをしている 5 4 3 2 1
12 日に当たると日焼けしやすい 5 4 3 2 1
13 完璧主義者で、人にもきびしい。話し方がきつい 5 4 3 2 1
14 皮膚にほくろやそばかすが多い 5 4 3 2 1
15 目が充血しやすい 5 4 3 2 1
合計:点 

 

カパ度(5=当てはまる / 4〜2=どちらともいえない / 1=当てはまらない)
01 生まれつきガッチリしていて体型が大きく腕力が強い 5 4 3 2 1
02 肥満しやすく、腕や足の血管が見えにくい 5 4 3 2 1
03 食事を抜いても我慢できる 5 4 3 2 1
04 毛髪が黒くて年齢以上にふさふさしている 5 4 3 2 1
05 どこでもよく眠れる 5 4 3 2 1
06 肌が柔らかく滑らかで、色白である 5 4 3 2 1
07 歯が白くて大きさが揃っており虫歯も少ない 5 4 3 2 1
08 激しい運動や労働によく耐えることができる 5 4 3 2 1
09 歩行や食べ方がゆっくりしている 5 4 3 2 1
10 イライラすることは少なく集中力がある 5 4 3 2 1
11 覚えるのは遅いが、いったん覚えると忘れにくい 5 4 3 2 1
12 引っこみ思案で、恥ずかしがり屋 5 4 3 2 1
13 湿気が多くて寒い気候が苦手で、すぐに鼻水が出る 5 4 3 2 1
14 食物に興味が強く、食事によくお金を使う 5 4 3 2 1
15 心が穏やかで怒ることは少ない 5 4 3 2 1
合計:点 

 

お疲れ様です^^ 結果はいかがでしたか!?
自分は3つのうちどれが優勢になっているか、ある程度判断がついたんじゃないかと思います。

1つだけやたらと強いという場合もあるし、2つが高めということもあるでしょう。中には3つとも同じくらいの高さという人もいるかもしれませんが、おおよそ自分が何体質なのか把握できたのではないでしょうか。

ヴァータ、ピッタ、カパ体質の心身の特徴

3つのドーシャのうちどれが優勢なのかが分かると、日常生活や仕事、趣味、社会的な個のあり方などにまで応用して考えることができます。

それぞれの体質の人が持つ心身の特徴や向いてる仕事などについてチェックしてみましょう。

ヴァータ体質の心身の特徴 〜機敏で活発だけど気まぐれ〜

心の特徴 体の特徴
長所 快活、機敏さ、順応性、速い理解、豊かな想像力 機敏で活発、すばやく軽快、傷の治りが速い
短所 不安、気分の変動、緊張、衝動的、抑鬱(空虚感) 便秘、寒がり、腹部膨満、痛み、不眠、皮膚の乾燥

体格は華奢で痩せていて筋肉質ではないことが多いです。身長は低いか・細くてノッポ。顔つきは鷲鼻で目が小さく、歯並びは不揃い。皮膚は冷たく乾燥気味で髪はパサパサした特徴があります。

ヴァータ体質に多い性格

想像力が豊かで変化を好み、順応性が高いのも特徴。理解力が速くて記憶も速い。
物事を率先して行うことが多いけど長続きがしない。信念が変わりやすい。
住所や仕事を変えることが多く、お金を浪費する傾向があるのも難点。

ヴァータがバランスよく働いている時

行動がすばやく機敏で活発に動くことができ、体も軽くて頑張りもききます。

ヴァータがアンバランスになっている時

お腹にガスがたまって便秘がちに。寒がりで手足が乾燥して冷たくなり、緊張型頭痛など体の痛みが伴い不眠にもなります。
心の面では不安が強くなり気分が変動しやすくなります。衝動的になり集中力が低下したり緊張感が増して忘れっぽくなってしまうのも難点。怖がりになって心配性な面も強くなります。

ヴァータ体質

ヴァータをバランスさせるには?

  • 心身を十分休ませ、規則的な食事と睡眠を心がける。
  • 香りや音楽でリラックス。
  • 心配しがちな心を楽しいことで和らげる。
  • 油をある程度含んでいる消化の良い食事をとる。
  • 風呂に入るなど体を温かく保つ。
  • 雨や雪で体を冷やさないようし、肌に風が当たらないよう注意する。
  • ごま油でマッサージをする。

ヴァータ体質の人が向いている職業の例

ダンサー、デザイナー、教育者、著作者、写真家

ヴァータ体質の人が楽しめる趣味の例

音楽鑑賞、旅行、ジョギング

ピッタ体質の心身の特徴 〜知的で情熱的だけど怒りっぽい〜

心の特徴 体の特徴
長所 情熱的、知的、リーダーに適する、勇敢、チャレンジ精神旺盛 快食、快便、体が柔らかい、皮膚が輝く
短所 怒りっぽい、憎しみ、破壊的、完璧主義、見栄っ張り 皮膚発疹、出血しやすい、胸焼け、灼熱感、目の充血、下痢

体格は中肉中背でスタイルが良く、関節も柔軟です。知性を象徴した鋭さ、闘志や敵対心に溢れる顔つきをしており、皮膚は暖かくて柔らかく、日焼けしやすく小麦色なのも特徴です。また髪は細くて柔らかい傾向にあります。

ピッタ体質に多い性格

チャレンジ精神が旺盛で、行動や話し方に無駄がなくなり、リーダーに最適な性格と言えます。
また、見た目を誇示する傾向があり、高級品を好む傾向があるようです。

ピッタがバランスよく働いている時

快食で快便、体が柔らかく皮膚も輝くように滑らか。
情熱的で知的、勇敢で機転がきいている。集中力も高く物事に全力で打ち込める。

ピッタがアンバランスになっている時

異常に汗っかきになったり、皮膚が弱くて赤い湿疹や蕁麻疹などができ、目も充血してきます。
肝臓や胆嚢、胃腸の病気を発症して胸焼けが出てきます。
口臭や体臭、若ハゲ、白髪が目立つようになる。
短期で怒りっぽくなり、批判的になって喧嘩っ早くなるのもデメリット。完璧主義に走って敵を多く作ってしまうこともあるようです。

ピッタ体質

ピッタをバランスさせるには?

  • 休息を十分にとり、日中は暑い時間の活動を控える。
  • 水分が多くて液状の甘い食物(メロンやスイカなど)を食べる。
  • 辛くて刺激のあるものは避ける。
  • 闘争的で刺激的な事柄は避け(討論、競技、ホラー映画鑑賞など)穏やかに過ごす。
  • 野山を散歩したり月を鑑賞したり、自然に触れる。
  • 水泳などで体を冷ます。

ピッタ体質の人が向いている職業の例

経営者、政治家、外科医、法律家、計理士

ピッタ体質の人が楽しめる趣味の例

競輪、競馬、スポーツ鑑賞

カパ体質の人の特徴 〜穏やかで寛大だけど大雑把〜

心の特徴 体の特徴
長所 慈愛、渾身的、心が落ち着いている、辛抱強く着実 体力・持久力がある、体格が良い、よく眠れる
短所 こだわる、保守的、鈍感、大雑把、抑鬱(活動意欲低下) だるさ、眠気、口内が甘い、痰が多い、鼻水・鼻づまり

ガッチリと体格がよく太っている傾向。目は大きくまつげも長い、魅力的な顔つきをしており、歯並びも綺麗です。皮膚は色白で冷たく湿っている傾向にあり、髪は黒くて艶があり、白髪があまりないのも特徴です。

カパ体質に多い性格

物事をやり通すタイプの人が多く、何事も蓄積する性格なのでお金などを貯めるのが上手。また、情にもろく波風が立たないことを好みます。

ただし眠るのが好きなので肥満になりやすいのが難点。

カパがバランスよく働いている時

慈愛深く献身的穏やかさと寛大さに溢れてきます。
心が落ち着いており、辛抱強く着実に物事をやり遂げることができる。

カパがアンバランスになっている時

だるさや眠気を訴えます。すぐに肥満になり
口内が甘ったるくなって痰が多くなり、アレルギー性鼻炎や鼻水・鼻づまりに悩まされることも多くなり気管支炎や喘息などの疾患にかかりやすい。
湿気にも弱いので関節の異常を起こしやすくなる。

心の面では物事にこだわることが多くなり執念深くなります。
思考が鈍くなって大雑把になり、活動する意欲がなくなって抑鬱状態になることもあるようです。
愛欲におぼれ、独善的になって根に持つことが多くなります。保守的な面も欠点となります。

カパ体質

カパをバランスさせる生活とは?

  • 寝すぎや昼寝をしない。日中は活動的になるよう心がける。
  • 朝日を眺めながら散歩したり運動したりする習慣を身につける。
  • 冷たい食べ物や油っこいものは避ける。食べ過ぎも戒める。
  • スパイシーで温かい食べ物、加熱してない蜂蜜などをとる。
  • 夕食は軽くして早々に終える。
  • 朝食は軽くするか抜いても良い。
  • シャワーは朝が良い。洗髪後はよく乾燥させる。
  • 刺激性のあるアロマを楽しむ。

カパ体質の人が向いている職業の例

看護人、管理者、コック、建築家、カウンセラー、肉体労働者

カパ体質の人が楽しめる趣味の例

食べ歩き、釣り、ウェイトリフティング、切手などの収集

仕事や趣味は自分の体質に合っている?

自分の体質って今までなんとなく分かっていたものの、明確に分類ができないため深く意識することもなかった人がほとんどだと思います。
だからなんとなく調子が悪くなった時は病院や薬局に頼ってしまう面がありますよね。

だけどアーユルヴェーダの体質論を把握しておけば、未病のまま健康を保つ助けにもなると思います。

また、仕事や趣味なども「これでいいんだ!」と思い込んで続けているけどなかなか思い通りにならず、ストレスを感じてしまうことがあったら、もしかして自分の体質に合っていないことをやっているのかもしれません。

思い当たる節があれば、自らを見つめ直すのにアーユルヴェーダの知識が役に立つかと思います。

社会でも応用がきくアーユルヴェーダの体質論

こうして見ていくと自分の体質がどんなものなのか分かると同時に、家族や社会で関わる人たちの「体質」「性質」もなんとなく見えてきませんか?
その人の物事に対する考え方、仕事や休日の過ごし方、趣味・嗜好などを見ていくとある程度アーユルヴェーダの体質論を当てはめることができると思います。

「太り気味のあの人はカパ体質っぽいな。」「仕事バリバリのあの社長は分かりやすいほどピッタ体質だ。」「あそこの奥さんはカパ・ヴァータで旦那さんはピッタ・ヴァータだね。」などなど。

仕事で関わる人などもこの体質論を重ね合わせてみるとおもしろいです。その人との付き合い方や仕事の仕方、またはいたわり方などのヒントも得られるかもしれません。

ちなみに僕は・・・
冒頭に書いたように冬が超苦手ですぐに手足が冷えて肌もカサカサ。髪もいつもパサパサ。だけど夏はあまり汗もかかず快適に過ごすことができます。
旅行が好きであちこち出かけ、仕事はデザイン関係。バンド活動もしていて作詞作曲や新しいことを思いつくのが得意(しかし気まぐれで飽きっぽい)。
・・・そうです。典型的と言っていいくらいのヴァータ体質です。たまにカパっぽくもなりますが、ピッタ的要素はほとんどありません。ピッタが強そうな友人からは極端な「寒がり」と思われていますw

今回のケセラセラ

みんながみんなどんな体質なのかが分かっていたら、お互いに個性を伸ばしてより生産性のある社会になるかもしれない。そしてお互いを優しくできる温かい世の中になるかもしれない。

そんな密かな妄想を抱きつつ、少しでもアーユルヴェーダが知られるようになればいいなと思い、今回ブログに書いてみました。

もちろん日本でもアーユルヴェーダを実践し、日々研究を重ねている人も大勢います。
初心者向けから上級者向けまで様々な書籍も出ていますので、気になった方はチェックしてみてください。

↑アーユルヴェーダの全体像を学ぶことができ、初心者にもとっつきやすい内容なのでオススメ。
新版も出ていますね。

アーユルヴェーダの知識を取り入れて、健康で幸せな毎日を!!