【中国雲南省】テーマパークみたいな麗江古城、ノスタルジックな束河古鎮と白沙村

大理を後にしてバスで向かった先は麗江の町。

かつて少数民族ナシ族の都として栄えた麗江古城は今では多くの旅行者が訪れる観光名所になっています。
今回(2017年10月末)は麗江に2泊して旧市街の見どころや周辺の村などをじっくり散策してみました。
麗江への旅に役立つ情報なども交えてレポートします!

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麗江はどんな町?

雲南省北部、麗江納西(ナシ)族自治県麗江は標高がおよそ2400mの山間部にある地方都市です。
年間平均気温は6~18℃で昆明や大理とともに1年を通して温暖な気候。
ミャンマーとの国境にも近く、古代は中国から南方に抜ける西南シルクロードの要衝の町として、チベットや東南アジアとの交易が盛んに行われたそうです。雲南原産の茶葉や馬などを運ぶ「茶馬古道」の中継地としての役割もありました。

ちょっと前まで昆明から麗江までの道が整備されてなく、とんでもない悪路を何時間もかけて行かなくてはならないような秘境だったそうです。
しかし現在は高速道路も整備されLCCなども飛んでいるためアクセスが格段に良くなり、人気の観光地として知られています。

大理から麗江へバスで行く方法

大理の北バスターミナル(大理汽車客運北站)から麗江やその先の香格里拉などへのバスが出ています。
大理古城からは路線バス8番の終点「六十医院」から乗るのが便利です。約10分おきにバスが出発し、北バスターミナルからは所要20分くらい。

▲大理古城から大理北バスターミナルまでのルートマップ。

大理から麗江へのバスは30分-1時間間隔でいっぱい出てます。
チケットはターミナル内の窓口で購入できます。チケット代は56元でした。

大理汽車客運北站

大理から北に約200km、3時間ほどで麗江の高速バスターミナル(丽江客运站)へ到着します。

麗江バスターミナルから古城エリアへ行くには?

麗江での宿泊はいろいろと選択肢がありますが、古城付近を考えているなら路線バスを使っていくのが便利です。
バスターミナルのすぐ近くに「客運站」というバス停があり、そこから8番のバスに乗って古城の入り口「古城口」で降ります。道の混み具合にもよりますが所要30~40分くらい。

▲麗江バスターミナルから古城付近までのルート例。

タクシーでもいいのですが、路線バスは頻繁に走ってるし料金もなんと1元とお得で乗りこなすと便利です。
Google Mapで現在地と行きたい場所を検索すればバスの番号やルートを教えてくれます。

なお、中国ではGoogle Mapがズレるので注意が必要です。

麗江の宿泊

僕が麗江で泊まった宿(山水桃园客栈:Shanshui taoyuan Inn)は古城から少し離れた場所ですが、それだけ人も少なく静かで快適でした。

ダブルルーム2泊で130元(約2300円)。シーズンオフだったせいもあり結構すいてました。

丽江山水桃源假日酒店

▲source:booking.com

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麗江古城の周辺には客桟(ゲストハウス)から5つ星クラスのホテルまで、数多くの宿泊施設が立ち並んでいます。
いろいろとお店も揃っているので便利に過ごしたいなら古城エリアもいいですが、夜は静かに過ごしたいということなら少し離れたエリアか、郊外の村で1泊するというのがおすすめです。

麗江の見どころスポットを散策してみた

麗江古城とその周辺スポットだけなら1泊でも良いかと思いますが、郊外の村などに行く場合は2泊した方が余裕を持って移動できます。
僕が今回2泊3日で訪れた場所を紹介していきますね。

麗江古城(れいこうこじょう:Lijiang Guchen)

その昔ナシ族の都として栄えたこともある800年以上もの古い歴史を持つ場所です。
1996年には大地震が発生して町が崩壊。しかしその後華麗に復興を遂げ、1997年にはユネスコの世界文化遺産に登録。今では雲南省屈指の人気スポットとなっています。

古城内の雰囲気はかなり情緒豊かです。
細い路地まで続く石畳に瓦屋根の木造家屋がいい味出してます。
麗江古城は「高原水郷」とも呼ばれているようですが、その名の通り街中には水路が張り巡らされ、並行するように建物が建てられているのも特徴的です。

古城内の西側にある獅子山公園からは一面に広がる瓦屋根を見ることができるそうです。
また、昼間晴れていれば玉龍雪山も眺められるほどの絶景スポットです。
今回僕は夕方~夜にかけて古城を訪れたので獅子山には行けずじまいでしたが、古城の東側の高台から屋根瓦を眺められ、夕焼けとあいまってこれはこれで圧巻な風景でした。

麗江古城

古城を夜訪れるなら建物を照らすライトアップも見ものです。
日本のどこぞみたいにLEDバリバリじゃなくて、建物を幻想的に照らすオレンジ色の間接照明がセンスいいなと思いました。

麗江古城

▲ライトアップは深夜0時頃まで続く。その時間帯まで人並みが絶えない。

雰囲気は抜群。ジブリ映画の「千と千尋の神隠し」テーマパークがあったらこんな感じなんじゃないかと錯覚しました。
しかしそれだけ観光地化が進んでいるということですね。
スタバやマクド、ハーゲンダッツなど欧米のチェーン店も進出しており、どこを通っても賑やかでした。

古城の中心にある四方街という広場は、ミュージックバーが取り囲むように立ち並び、それぞれライブ演奏をやっていたりクラブっぽい音楽をかけてたりと、ここはざわついた感じでした。

麗江古城

▲音楽が絶えない四方街周辺。楽しいけどざわついてます。

麗江古城は賑やかにテーマパーク感覚で訪れるならいいですが、静かに町並みを楽しみたいなら下で紹介する束河古鎮や白沙村をメインに訪れるといいかと思います。

黒龍潭公園(黑龙潭公园:Hēi lóngtán gōngyuán)

清の時代に創設された景観がとても美しい公園。
玉のようにきれいな泉が玉龍雪山を映し出し、まるで絵画のような光景を作り出すことから玉泉公園という別名もついてます。
麗江古城から北に1kmほどのところにあるので徒歩でも行けますし路線バスを使っていくのもいいでしょう。
入場料は60元ということですが、麗江古城の入場パス(80元)を持っていれば公園にも入ることができます。

黒龍譚公園

▲行った時は天気がイマイチだったのが残念。でも確かに景色は素晴らしかったです。

黒龍譚公園

▲が、言うほど水は透き通ってキレイというわけではなかった。

トンパ文化博物館

麗江、そしてナシ族の生み出した文化として有名なのが東巴(トンパ)という宗教、そしてその経典に使われているトンパ文字という象形文字。
現代に至るまで伝承されてきた世界でも珍しい貴重な文化で、トンパ文字の古文書はユネスコが定める「世界の記憶」にも指定されています。
このトンパ文化を知ることができる博物館が黒龍潭公園の中にあり無料で入場できます。
余裕があれば是非立ち寄りたいところです。

トンパ文化博物館

▲トンパ文化博物館の外観。

トンパ文字

▲麗江の街中などにはこんなふうにトンパ文字が描かれた壁などが結構見られる。これはナシ族のための表記というわけじゃなくてあくまで観光のネタとして掲げられている。

麗江周辺の村を訪れてみた

麗江周辺の村々はそれほど観光化が進んでおらず、昔ながらの町並みやナシ族の人たちの生活を間近に見ることができます。
幾つかの見どころスポットがありますが、中でも麗江から近い場所にある束河古鎮、そしてその先の白沙村がオススメ!
距離的にもそれほど遠くないのでレンタサイクル(1日30~50元、他にデポジットが必要)を借りていくのも良いですが、路線バス(1~2元)も頻繁に走ってるので便利です。

束河古鎮(Shù hé gǔzhèn)

麗江古城から北に4kmほど離れた場所にある古鎮。古い町並みを整備した情緒あふれる景色になんだか懐かしさを覚えてノスタルジックな気分を味わえます。
ここも世界遺産に登録されてますが、麗江古城と比べて観光客も多くなく静かに歩くことができます

▲麗江古城から束河古鎮へのバスルート例。6番のバスか11番のバスで近くまで行くことができます。

束河古鎮

束河古鎮

束河古鎮

束河古鎮

束河古鎮は高倉健さん主演「単騎千里を走る」という映画(2005年公開)のロケ地になった場所としても知られています。

人の純朴さ、素直さ、全力で客人をもてなす所や、言葉が通じないが為の疎外感やもどかしさ、逆に通じないからこその心の通い合い…。不器用で要領が悪いような所もリアルに表現しており、非常に好きな映画です。
ストーリー展開も、日本的に考えると無理があるように思いますが、実際中国では本当にこのような展開は一般人でもあり得ると思うので面白い。健さんと中国の魅力を再確認できた作品です。

▲Yahoo!映画「単騎、千里を走る。」ユーザーレビューより引用

僕はこの映画は見てないのですが、実際このレビューみたいに素朴で温かみのある風情を感じられる場所でした。

白沙村(白沙乡:Báishā xiāng)

麗江古城から北へ12kmほど行った場所にある古鎮。
13世紀ごろの元の時代にナシ族の豪族「木(ムー)」族が開いた村だと言われています。
路線バスで行く場合は6番のバス1本で行くことができます。

▲麗江古城付近から白沙へのバスルート例。6番のバスが便利。

白沙で有名なのが「壁画」。
地元のナシ族ほか4つの民族の絵師が描いたとされる国宝級の仏教壁画が有名です。
ただしこの壁画がある場所は白沙の村と少し離れた場所にあるので注意が必要です。
バス停の先に壁画入口、後ろに村の入口があります。

白沙MAP

僕は村の中に壁画があると勘違いして結局見ることができませんでしたが、村の中がとてものんびりして居心地が良かったので結果的に良かったのかなーと思いました。

伝統的な染物や息を呑むほど繊細で美しい刺繍画などが特産品として売られていますが、村の中には特にこれと言って大きな見どころはありません。
しかし少し奥まで歩いていくと観光とは無縁のナシ族の生活を間近に見ることができます。それがこの村の一つのアトラクションと言ってもいいかもしれません。

白沙村

▲白沙村の入口の門。

白沙村

▲門のそばで日常を過ごすナシ族の人々。

白沙村

▲街中をゆったりと牛が歩く。

ナシ族のストリートフード

▲ナシ族のストリートフード。お芋とこんにゃくを油で炒めてスパイスや醤油で和えたもの。素朴で美味しかったです。

白沙村

▲伝統的な家屋を建築している現場を発見。ちょうど上棟式が行われ、爆竹などが破裂して派手にお祝いしてました。

白沙村

▲自宅に招いてお茶やお菓子をごちそうしてくれたキュートなおばあちゃん。横においてあるノート類はすべて立ち寄った旅人たちによる寄せ書き!すごい量です。お土産までもらっちゃったので帰り際に10元ほどお礼をしました。←これが目的なのかもしれませんが、とても穏やかな時間を過ごさせてもらったのでノープロブレムです。

村の中にはゲストハウスも幾つかあるので、1~2泊してノスタルジックな町並みと地元の人達とのふれあいをじっくり楽しむのもいいかもしれません。

旅インフォ

目安としてこの記事における旅のデータとかかった金額を記載しておきます。

旅のデータ
エリア 麗江~束河古鎮~白沙(中国・雲南省)
同行者 なし(一人旅)
交通手段 長距離バス(大理→麗江)、路線バス(麗江)
宿泊 山水桃园客栈:Shanshui taoyuan Inn
ダブルルーム 130元/2泊
旅の費用(単位:元)
長距離バス 大理→麗江  56
昼食 乗っけ盛り定食 10
路線バス(麗江)乗車合計9回 90
夕食 土鸡米线 丽江粑粑 25
みかん3つ 4
水1.5l 4
朝食 包子 豆乳 3
芋、こんにゃく  5
昼食 ナシ族のチャーハン 12
夕食 ピーマン肉炒め 空芯菜炒め 白米 58
朝食 小籠包肉まん 味玉子 7

中国で個人旅行をするとき、飛行機や列車のチケット、ホテルなどの予約などオンラインで行えるCtripがとても便利です。

中国では宿もオンラインで予約できます。宿の検索はBooking.comなどが非常に便利です。


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旅の動画

旅人目線で撮影した動画です。

中国-ベトナムの旅 05 大里→麗江 / Trip to China-Vietnam 05 / Dali-Lijiang

▲朝の大理古城と崇聖寺三塔周辺を散策。大理から麗江へ移動、夜の麗江古城を散策。

中国-ベトナムの旅 06 麗江周辺の村 / Trip to China-Vietnam 06 / Lijiang, Baisha, Shu He Old Town

▲路線バスで白沙へ。伝統家屋の上棟式見学やおばあちゃんとの出会い。路線バスで束河古鎮へ移動、古城街歩き。

中国-ベトナムの旅 07 麗江→香格里拉(シャングリラ) / Trip to China-Vietnam 07 / Lijiang-Xiang Ge Li La

▲麗江のトンパ文字博物館見学と黒龍潭公園散策。麗江から香格里拉へ移動。