ばあちゃんと正月。「長生き」について考える

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年が明けると去年の年末のことがものすごく遠い日のように感じます。
新しい年の始まり。気分も新たに今年もいろんなところに行っていろんな人に会っていろんなことをやってみよう。

 

 

お正月。家族とともにのんびりすごしました。

 

 

ばあちゃんは82歳くらいになりますが、何年か前に頭を手術して、その頃から言動がおかしくなりました。
それでも認知症(痴呆)というわけではなく、日々の生活に支障はありません。
ただ、たまに過去と現在と夢の中と現実がごっちゃになっておかしな行動をとることがあるのです。

 

 

しばらくは親族がそれぞれ面倒見たり様子を見に行ったりしたけど、最終的には老人の一人暮らしは危ないということで、去年の夏ごろ養護施設に入ってしまいました。

 

普段なじみのない「養護施設」と聞くとなんだか「収容所」的な悪いイメージを浮かべてしまうのは良くない偏見で、実際はお年よりが快適に楽しく過ごせるような空間が用意されています。
雪降る大晦日、両親とともに車でその施設(グループホーム)を訪れ、ばあちゃんとも何ヶ月かぶりに会うことができました。
なんだか一人暮らししていた時より性格がおだやかで元気になっているような気がしました。
施設のスタッフもみな気さくで明るい人ばかりで、ばあちゃんもスタッフに交じってお皿を洗ったり掃除をしたりで楽しくやっているようでした。

 

そんなばあちゃんを連れて家に帰り、紅白を見て、おせち料理を食べて、駅伝を見て、いつもどおりの正月を過ごしました。

 

 

ばあちゃんを送って帰るとき、帰り際にじいちゃんたちが眠る八王子の墓地をお参りしました。
雪が積もっていて足場が悪かったが、ばあちゃんはとても生き生きとしていました。
墓石を水で洗ってきれいにし、花を生けて日本酒をお供えしました。
ばあちゃんが奇妙な念仏を唱え、それを面白がって両親が写真に収めたりする。
こんな楽しい墓参りも珍しい。

 

 

施設に戻ってくるとばあちゃんはこう言い放ちました。
「ありゃ?ここは私が仕事しているところだよ。」
どうやらばあちゃんは「ここに入れられている」というより「ここで住み込みで働いている」と思い込んでいるらしいのです。
根っからの働き者で、貧しい生活の中家族を支えてきたばあちゃんらしい発想です。
人生百年。まだまだ長生きしてほしい。

 

 

余談だが、今朝新聞で三浦敬三氏の健康法について読みました。
三浦氏といえば99歳でモンブランをスキー滑走したり、親子四代でソルトレークへスキー遠征するなど、その体の丈夫さは世に知れています。
100歳を超えても尚元気でいられるための健康法や食生活などがその記事で紹介されていましたが、果たして自分は何歳まで生きられるのでしょうか。

 

 

年の初めにそんなことを考えたりしました。